日本シティジャーナルロゴ

加齢と老化のメカニズム 其の1

アンチ・エイジングの2シリーズ目は「内から外からお肌のアンチエイジング」です。

抗加齢医学(アンチ・エイジング医療)は、病気を予防することはもちろん、加齢や老化という現象について、すべての科学を結集してそのメカニズムを究明し、からだを最良の状態を保つことを目ざす学問です。医師と患者の信頼関係を大切にし、生活の質を追求することを目標にしています。本当の健康とは、精神も肉体もともに健康であることが重要です。肌や見た目などの外面はもちろん、からだの内側(内面)もよい状態であることを意味します。内面的な医療とは、内科的治療といえばわかりすいでしょうし、外面的な医療とはここでは、美容皮膚科・美容外科的治療ということになります。強調したいのは、内面的な治療も外面的な治療両方とも重要であり、両方を実践することにより相乗効果が現れるということです。また、他の人から見たら小さな肌のしみであっても、当人にとっては人生の一大事であって、そのためにふさぎこみがちになったり、意欲が低下したり、ひどい場合には抑うつ状態に陥ったりします。美容外科的な治療は、局所治療のみならず、結果として、精神的にも好ましい効果をもたらしています。これは生活の質(Quality of Life)を充実させるためにも大切なことです。

加齢と老化のメカニズム 其の1

たとえば、クラス会に行ったとしましょう。20歳のころは、みんなまだギャルで、それほど個人差はなかったことでしょう。

「わたしって、なにを食べてもふとらないカラダなのよね。」と豪語するヒトも多かったはず。

30歳になると、ちょっと差が出てきます。なかには、子供まで生んですっかりお母さんになってしまったヒト、バリバリのキャリア・ウーマン、不精者のカウチ・ポテト族、ひとそれぞれです。お化粧ののりが悪くなったり、肌のしみ・くすみが出てきたり、お腹の脂肪が気になるのもこの頃です。

40歳になると、ますます差がひろがります。完成されたおばさん体型のヒトもいれば、まだまだ色恋にも、現役で20歳後半でも通用するヒトもいます。でも、ヒトがお腹のたるみ、乳房やおしみのたるみが気になるヒトがきっと多いはず。

50歳、60歳、それ以上になるにつれて、その差はひろがるばかり。中には、健康を損ない、病気になってしまうヒトもチラホラみられることでしょう。

いかがですか。たとえあなたが今、30歳で、若さに自信をもっているとしても、この10年間の過ごし方で、大きく変わっていくのです。

「私は何年生まれだから何歳」という表現には、じつは何の意味もありません。

「わたしの運動能力、ホルモンレベル、血糖値、そして、プラス志向度がいくつなので何歳」と言わなければ本当の年齢を言ったことにはならないのです。これが、「実年齢は意味がない。生理的年齢が重要。」ということなのです。

年をとっても生理的年齢をうまく保てるかどうか。それには、食事や運動などの生活習慣、嗜好、性格などが大きく影響しています。それでは、次回は老化に関係する三つの要因を少し詳しく説明することにしましょう。

米井 嘉一(よねい よしかず)

米井 嘉一(よねい よしかず)

1958年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒。現在、日本鋼管病院内科・人間ドック脳ドック室長、(株)サウンドハウス産業医。
米井抗加齢研究所所長(http://www.yonei-labo.com/) Anti-Aging Medicine(抗加齢医学)の伝道師としてテレビ、ラジオ、雑誌等で活動中
日本抗加齢医学会HP

© 日本シティジャーナル編集部