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症状ごとの特殊ケア その4_1 「たるみ・脂肪をおとす」

食事療法・運動療法・サプリメント療法・ホルモン調整などを駆使したアンチ・エイジング療法を一生懸命やれば、50歳をこえてもちょっと食べても太りやすい状態の「おばさんモード」になることを防ぐことができます。

皆さんだって10代、20代のころは「何を食べたって、それほど太らない体」だったはずです。それが30代後半から40代になると、からだの仕組みに変化が起こります。同じ物を食べても、同じエネルギーを摂取しても、脂肪として蓄えられる割合が増えるのです。からだの中の代謝構造が変わってしまうのです。

単にカロリーを控えるだけのダイエット療法はダメです。ダイエット直後にからだの代謝が下がってしまい、リバウンドが強く出てしまいます。この期間は空腹感・飢餓感がめちゃめちゃ強く、何か食べるとすべて脂肪になってしまい、精神的にも相当なストレスになります。「今日だけはいいか」と食べてしまうと絶望的に脂肪がつきます。やけ食いでもしようものなら元のもくあみどころか、スタート時点よりも太ってしまうことになります。ですから、なんとか代謝をさげずに「若者モード」を保つ必要があります。

「若者モード」から「おばさんモード」に変化するメカニズムについてはまだ完全にはわかっていないことが多いのですが、女性でも男性でも、ホルモンバランスの変化がこれに大きく関わっていることは確かです。「若さを保ちつつ年をとる能力が少し劣っている人」の中には、単にホルモン分泌能力が低下しているだけの人が含まれています。これらの人たちにとっては、運動療法や食事療法主体の治療に加えて、不足しているかサブ・オプティマル状態にあるホルモンをおぎなうことで、50歳を越えても夢のような体型を保つことが夢ではなくなるのです。とにかく、からだ全体をオプティマル・ヘルスの状態にもっていく必要があります。

既にぽっちゃりと脂肪がついてしまった人は美容外科的治療の手を借りて、一度さっぱりしてからもう一度脂肪がつかないように努力しなおす、というのも1つの方法です。ぽっちゃりとした脂肪を落とすより、脂肪がつかないよう予防する労力の方がはるかに少ないからです。苦しい思いをしてダイエットをしても、なかなか自分の思う部位はやせません。

美容外科で一般的に行われるのは脂肪吸引術という手術です。皮膚の下に貯まる皮下脂肪を、上の方を少し残して吸引という力を利用して吸いとってしまう方法です。この脂肪吸引術によって自分のやせたいところをやせさせることができます。しかし脂肪吸引術は、丁寧に時間をかけて吸引してやらなければ効果がありません。下腹部、太もも、ふくらはぎ、二の腕(上腕)、あごの下などが、要望の多い部位です。

米井 嘉一(よねい よしかず)

米井 嘉一(よねい よしかず)

1958年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒。現在、日本鋼管病院内科・人間ドック脳ドック室長、(株)サウンドハウス産業医。
米井抗加齢研究所所長(http://www.yonei-labo.com/) Anti-Aging Medicine(抗加齢医学)の伝道師としてテレビ、ラジオ、雑誌等で活動中
日本抗加齢医学会HP

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