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抗加齢医学(アンチエイジング医療)における学会・研究会活動

いよいよ最終回です。この3年間おつきあいいただきまして誠にありがとうございます。この間に"アンチエイジング"という言葉は一般の方々にも浸透してきたと感じています。

抗加齢医学を学問的に体系付けようとするのがアンチエイジング学会・研究会活動で、米国の医師達を中心に1990年頃から始まり、米国抗加齢医学学会(American Academy of Anti-Aging Medicine)が設立されました。現代人の健康への関心が強いこともあり、学会活動は年を追うごとに発展し、現在までに医師を中心に12000人を超える会員からなる世界規模の学会となっています。この学会はAmerican Academy of Anti-Aging Medicineの4つのAをあわせてA4Mと呼ばれています。

日本では、1999年頃より抗加齢医学(アンチエイジング医療)に関する啓発活動・学問的活動が、小規模な研究会からスタートしております。当初は、美容皮膚科・美容外科的な側面からアプローチが中心でしたが、すべての科学を総結集して加齢・老化という現象を究明し、健康長寿をめざすための学問的活動や啓蒙を行うため、2000年に日本抗加齢医学研究会、2003年日本抗加齢医学会(http://www.anti-aging.gr.jp)が設立されました。日本抗加齢医学会では、正しい情報を医療関係者のみならず、一般の方々にも公開していきます。医師、歯科医、獣医師、薬剤師、看護婦、栄養士、運動療法士、心理療法士、音楽療法士、理学療法士、針灸師、エステシャン・コスメティックアドバイザーなどの医療関係者に対しては、抗加齢医学を正しく教育、指導する機関を設立する必要があると考え、2005年6月には抗加齢指導士の第1回認定試験を実施する予定です。

おわりに

抗加齢医学(アンチエイジング医療)に関しては、客観的に評価できるような第三者機関の設立が望ましいと考えています。これまでの西洋医学の領域も含め「インチキ」「まがいもの」「詐欺」「理不尽な価格によるトラブル」「副作用被害」に関しては、積極的に情報を集め、一般公開することによって、厳しく対処するというのが理想です。

抗加齢医学(アンチエイジング医療)は、「患者に対し情報を公開し、説明し、納得していただく」という、きちんとしたインフォームド・コーポレーションがあってこそ、初めて成り立つ医療です。他の医療分野と同じように医師や医療従事者(パラメディカル・スタッフ)と患者の信頼関係が最も重要です。

近年、内科、外科、婦人科、眼科といった専門科という名の縦割り医療における弊害が、数多く指摘されております。抗加齢医学(アンチエイジング医療)はそれぞれの専門領域の壁を取り払った、文字通りすべての科学の総結集として、健康長寿に対する人々の真のニーズに答えていきたいと考えております。

米井 嘉一(よねい よしかず)

米井 嘉一(よねい よしかず)

1958年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒。現在、日本鋼管病院内科・人間ドック脳ドック室長、(株)サウンドハウス産業医。
米井抗加齢研究所所長(http://www.yonei-labo.com/) Anti-Aging Medicine(抗加齢医学)の伝道師としてテレビ、ラジオ、雑誌等で活動中
日本抗加齢医学会HP

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