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Merrie Monarch Festival ~メリー・モナーク・フェスティバル~ Part1

私達フラダンサーにとって、毎年この季節になるとソワソワ・ワクワクしてくるイベントがあります。それはハワイ州で最も権威があるとされているフラ・コンペティション「メリー・モナーク・フェスティバル」がハワイ島ヒロで行われるからです。

3月下旬から4月にかけて、その年の復活祭の翌週、普段は静かなヒロの町にフラを愛する世界中の人々が集い、1週間にわたって様々なイベントが開催されます。フラの祭典は4日間で、水曜日はホイケ(前夜祭)、木曜日はミス・アロハ・フラ(個人)、金曜日はグループ・カヒコ(古典フラ)、土曜日はグループ・アウアナ(現代フラ)と結果発表、連日エディス・カナカオレ・スタジアムで行われます。

今年で46回目となりますが、およそ5000席のチケットは非常に入手困難となっており、観戦ツアーと呼ばれるものも非常に高額となっています。3日間通しのチケットは$15~$25程ですが、会場場所であるヒロにホテルが少ないこと、オアフ島ホノルルからハワイ島ヒロへの国内線チケットが取りにくいこと等が高額になっている理由の一つです。ヒロのホテルの予約を1年前のメリー・モナークに訪れた時に入れる人も多いそうです。

観戦ツアーの中でも若干安価な内容を見てみると、ヒロから車で2時間程離れた町コナの近くにあるホテルへ宿泊し、連日観戦するという強行軍なツアーもあります。ただし、コンペティションの終了は連日深夜となる為、かなりのハードスケジュールに違いありません。観戦したことのあるフラの友人達の話によると勿論素晴らしかったし、感動はしたけれど1日5~6時間硬いベンチに座っての観戦はとても疲れるという事を聞きます。

それならばと、私流のメリー・モナークの楽しみ方として、この時期に合わせて格安の航空チケットでオアフ島に行き、食糧を買い込んでビールを飲みながらホテルの部屋でゆっくりと観戦する、題して「ホノルル・メリー・モナーク観戦」です。大会期間中、毎日テレビでコンペティションの様子が生中継されるので、ホテルの部屋でくつろぎながら観戦することが出来ます。番組内では出場するチームやクム(フラの先生)、またエントリーしているダンサーの紹介や事前インタビューなども放映されるので、テレビ観戦ならではの楽しみ方も出来ます。毎年ハワイに住む知人にテレビ放映の録画をお願いしてビデオを送ってもらったり、大会終了後に発売されるDVDを入手していますが、いち早く生中継を観たいという事で、この「ホノルル・メリー・モナーク観戦」を目的としてハワイに行くことをとても楽しみにしています。

なぜ、それ程までして少しでも早くメリー・モナークを観たいかというと、勿論最高峰のフラを見たいということは言うまでもありませんが、旬のフラを見たい、そして旬の音楽を聴きたいからです。フラはハワイの伝統的な踊りであり、基本的な面では何ら変わることは無いとしても、その年のフラの傾向はメリー・モナークから始まると言っても過言ではありません。現代フラの場合は曲があって踊りがあり、その選曲によって衣装や身につけるレイ、そして頭につける花も決まり、コンペティションの重要な審査対象となります。ダンサー達のドレスも柄物が主流だったり、無地やぼかしが多かったりとドレスの形もその年によって変化するので、メリー・モナーク全てがとても良い勉強になります。音楽にしてもその年によってミュージシャンが変わり、コンペティションの演奏で大活躍をしていたシンガーが次年のハワイのグラミー賞とされているナー・ホークー・ハノハノ・アワードで受賞することも多いのです。何度か「ホノルル・メリー・モナーク観戦」を楽しむうちに、いつの日かこの目でメリー・モナークを観てみたいという夢が広がっていきました。そして、意外なところからその夢が実現される事になったのです。

(つづく)

Akemi

Akemi

現在、東京のHalau(Hula の教室) 所属。
レストラン・ポセイドン、Hawaiian Night出演中。

© 日本シティジャーナル編集部