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魅惑の民族楽器 ~弦楽器、ギターと三味線は仲良し兄弟?PART1~

サズ

ロックにとってエレキギターといえばまだまだ花形のようです。ところでこのエレキギターというのは一体どこからきたのでしょうか?私もギタリストの一人としてこのルーツは大変興味があります。今回より数回に渡ってギターのルーツを辿っていきたいと思います。

打楽器のルーツはアフリカに見ることができますが弦楽器、それもスパニッシュスタイルで抱える弦楽器の全てのルーツはウードという中近東の楽器だという説が有力です。

イスラム初期時代にペルシアで生まれたウードはその後北アフリカまで広く分布しています。これが中世、十字軍の遠征の時にスペインを経てリュートという楽器に生まれ変わり、その後ギターに変わったとされています。現在出回っているものはアラビア型とエジプト型に分かれており、エジプト型の方が装飾は派手です。さてこのウードが様々な変化を遂げる大きな要因があります。それはシルクロードです。

中世ユーラシア大陸貿易で重要な役割を果たしたシルクロードでこのウードが伝えられ様々な楽器に姿を変えました。

まず右の写真、これはトルコの「サズ」という楽器です。特にトルコではベリーダンスの伴奏では欠かせない楽器のひとつとされています。胴の部分が西洋梨型であること、弦が7弦と複弦で構成されていることなどから同じファミリーといえます。この楽器がギリシャではブズーキという複弦の弦楽器になり、中世十字軍以降今に続くもう一つのポピュラーな楽器を生みだすことになります。

マンドリン

それが左の写真、マンドリンです。ウードがヨーロッパでリュートへと変わり当時の吟遊詩人に愛された後にリュートからマンドーラという楽器に変わりさらにイタリアでもっと小さくして当時の好みに合わせたのがマンドリンです。

ルネッサンス時代にかなり流行しました。これが大航海時代以降アメリカに渡ったのがフラットマンドリンです。カントリーミュージックでおなじみのこの楽器は、それまでの西洋梨型のボディでは無くフラットバックになっているため弾きやすく、より手軽な楽器へと生まれ変わりました!!

さあギターのルーツ西回りはアメリカまで行きました。次回は東回りアジア編でせめてみたいと思います。

楽しい音楽の町となりますように。

(ギタリスト 加茂尚広)

NEGGY加茂

NEGGY加茂

1971年生まれ 佐賀県唐津市出身。
1990年上京。東京を目指すも勢い余って通過してしまい千葉県成田市にて音楽活動開始。以後仕事の傍らミュージシャンとして年間40本以上という驚異的な数のLIVEをこなしている。いわゆる普通のLIVEのみならず、キャンプコンサートなどイベント出演も多数。現在は「KING JOE」というBANDで全国規模で活動中!!その爆笑&失笑ステージは見ごたえあります。「カモネギ」の愛称で親しまれております。

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