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コール&レスポンス

コール&レスポンスという言葉をご存知でしょうか?ブルースのみならずポピュラーミュージックの歴史の中でも重要な技法です。極めてわかりやすく言うと笑っていいともでタモさんが「今日は暑いですね~」というと客が「そうですね~」という奴の音楽版です(本当か?)。元々はスピリチュアル、黒人霊歌などにルーツがあるようです。教会などでゴスペルに発展し、コールの部分で聖書の言葉を引用するようになりそれに対しレスポンスするスタイルが出来ました。もともと読み書きを禁じられた黒人奴隷に対し賛美歌を教えるのに歌詞を一区切りづつに分け、最初に教える方がコールし、教わる方が同じ内容をレスポンスしていたことが起源のようです。その後レスポンスにHALLELUJAH(ハレルヤ)など賛美の言葉、合いの手で返すのが手法の一つになりました。

さてブルースではどうかというと歌詞に対してのレスポンスは唄や合いの手だけとは限りません。むしろギターやハーモニカ、ピアノなど自身が弾いている楽器、またはメンバーが弾いている楽器がその歌詞に呼応したフレーズを弾くことが主流です。ブルースの場合他の音楽と決定的に違うのは唄(コール)に対してレスポンスの部分があることにより、よりブルースらしさを醸し出している、これはバンド、弾き語りなどスタイルを問わず共通です。またバッキングの演奏に対するソロ楽器のコール&レスポンスもあります。音楽史の中で形を変えつつもルーツに対して忠実な表現方法が残っている稀有な例だと思います。ブルースやゴスペル以外でも「ノッてるかい!?」「イエ~イ!!」なんてのもコール&レスポンスの一種といえるわけです。もし音楽を生で聞きに行く機会があれば恥ずかしがらずにコール&レスポンスしましょう。それ自体が音楽のスタイルなのです。そんなわけでタモさんは日本一のコール&レスポンス芸人といえるかもしれません。

(ギタリスト 加茂尚広)

NEGGY加茂

NEGGY加茂

1971年生まれ 佐賀県唐津市出身。
1990年上京。東京を目指すも勢い余って通過してしまい千葉県成田市にて音楽活動開始。以後仕事の傍らミュージシャンとして年間40本以上という驚異的な数のLIVEをこなしている。いわゆる普通のLIVEのみならず、キャンプコンサートなどイベント出演も多数。現在は「KING JOE」というBANDで全国規模で活動中!!その爆笑&失笑ステージは見ごたえあります。「カモネギ」の愛称で親しまれております。

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