やっぱり年末は紅白しかないです。

毎年12月はあわただしく過ぎていきます。通常ミュージシャンにとって年末は稼ぎ時ですが、私の場合少し事情が違いまして、本職のほうが忙しいため、ほとんどライブはなく、ミュージシャンとしてはお休みモード。それでも3年前までは毎年大晦日に、年越しライブを入れていましたが、それも辞めました。年中どこかで演奏が入っていることは本当にありがたいのですが、仕事、演奏の両方を抱えていると、純粋なお休みというのは意外と少ないのです。そんなわけで、大晦日だけはライブをせず、家族と過ごす時間にしようと決めました。そしてふと気づきました。ポピュラー音楽を演奏する者として誰もが夢見る紅白歌合戦をまったく見ていなかったのです。それからは「ゼッタイに紅白は見る！」と心に決め大晦日を迎えております。しかし改めて見ると、子供の頃の紅白とはずいぶん雰囲気が変わりました。

子供の頃は夜更かしができることが最大の楽しみで、何時まで起きていられるかを弟と競ったものです。そのため、内容はあまり記憶にありませんが、世代的には都はるみの引退とか爆風スランプが初めて出た年はよく覚えています。1990年以降J-POPといわれるジャンルが隆盛を極め、求心力が低下、大物ミュージシャンにはそっぽを向かれ、めぼしいアイドルも不在。面子もあまり代わり映えしないような気がします。

それでも、紅白を見ると決めてからは、大きな楽しみとなっています。格闘技も面白いし、お笑い番組で腹の底から笑いたいというのもありますが、やはり紅白がないと年を越した気になりません。今年も無事、家族揃って紅白を見られるよう、2008年ラストスパートがんばります！今年もお世話になりました。

（ギタリスト　加茂尚広）