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ロハスの時代背景

人間が健康に生きてゆくために必要なもの。それはきれいな空気と水、そして安全な食べ物です。空気も水も土も汚れ果ててしまっては、健康なハッピーライフが遠のいてしまうでしょう。1990年代になって、国や大企業は深刻な環境汚染の問題に対して、ようやく国際的に取り組むようになり、企業人や研究者の間で、自然をいつくしみ、その偉大なる恩恵を将来にわたり持続的に享受してゆこうという考えが芽生えてきました。宇宙船地球号の考え方あり、稀少動植物の絶滅を防ぐ、種の多様性を守る、地球温暖化を防ぐ、有機減農薬運動など、大なり小なりの様々な運動が地域や国や地球規模で行われるようにもなりました。

このような時代背景の中で、一般の人たちに何ができるのか、一般企業として何ができるのか。一人一人のライフスタイルが、LOHAS=Lifestyles of Health and Sustainabilityという名の下に集まってきたのだと思います。

健康長寿と生活の質(QOL)の向上を目的としてアンチエイジングは基本的には医学であるので、ロハスという文化的ムーブメントとまったくイコールというわけではありません。しかしアンチエイジング医療では生活習慣の改善の要素が多く、ロハスの目指すライフスタイルと共通する部分が多いのは確かです。

前回紹介した(NPO)ローハスクラブでは、①環境家計簿-暮らしのCO2チェック、②ロハス環境の森プロジェクト、③ロハスエコツーリズムをテーマに取り上げています。環境家計簿-暮らしのCO2チェックとは、地球温暖化の原因となるCO2の排出を、家庭で「環境家計簿」をつけて、草の根レベルでCO2排出量削減に協力しようというものです。ロハス環境の森プロジェクトとは、先ほどと同じくCO2排出量を減らすために、森林で植樹活動を行う運動です。ロハスエコツーリズムでは、国内外の森林や里山へのエコツアー、風力発電の見学や温泉療法の体験などを目指しています。これらの運動は環境医学の観点からも理にかなっているので、多くの人たちがこのような問題に関心を寄せ、限りある地球資源を守るためのライフスタイル改善運動に参画して欲しいと思います。

同志社大学アンチエイジングリーサーチセンター教授 米井嘉一

米井 嘉一(よねい よしかず)

米井 嘉一(よねい よしかず)

1958年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒。現在、日本鋼管病院内科・人間ドック脳ドック室長、(株)サウンドハウス産業医。
米井抗加齢研究所所長(http://www.yonei-labo.com/) Anti-Aging Medicine(抗加齢医学)の伝道師としてテレビ、ラジオ、雑誌等で活動中
日本抗加齢医学会HP

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