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異国の競技場で見つけた希望の光
オーレ、日本!! オーレ、成田!!

日本は良くない方向に進んでいる?!

「この国は良くない方向に進んでいると思います」10月23日付全国紙の見開き2ページの全面広告で、ミュージシャンの女の子たちが大胆にメッセージを伝えていました。確かに経済情勢や政治の混乱ぶりから、昨今の日本には復帰のめどが全くたっていないように見えます。

そんな日本に対するこの若者からのメッセージを皆さんはどう受け止めたでしょうか? 単なる馬鹿げたコメントとして終わらせることができるでしょうか?

サッカーの競技場で見つけた希望

私は、未来への希望を見つけることができました。それは、1997年マレーシアのジホールバルで開催された日本代表対イランのワールドカップアジア地区最終予選を生まれて初めて競技場で観戦した時のことでした。

約2万人を収容できる昔風の競技場は、日本からのサポーターで9割方埋め尽くされていました。試合開始直前の国家斉唱で全員が起立し会場全体がシーンと静まり返った中、「君が代」が流れ日の丸が掲げられました。その時、日本からの観衆が「君が代」を大声で、それも美しい声で歌い始め、マレーシアの静けさの中にこだましていきました。

正直言って感動しました。異国の地で「君が代」を熱唱する無数の若者たち。日の丸を掲げ、ひたすら日本代表を応援し、心一つとなって叫ぶその姿を見たとき、何か今までにないフレッシュな情熱が心からこみ上げてきました。

「君が代」の是非はともかく、誰かに強制されたわけでもなく、また国内の余計な議論からも遠く離れたこの場所で、素直な心で自国の代表チームを懸命に応援する若者たちの姿こそ、将来の日本に一筋の光を投げかけているように思えてなりません。

日本の将来を担う若者たち

「今の若者はどうしようもないね」という大人たちの愚痴をよく耳にします。確かに町をたむろする若者の姿に危惧を覚えてしまうのは私だけではないでしょう。しかしジホールバル以来そんなネガティブな思いが変わりました。

今の若者には、常に周囲を気にしながら社会的プレッシャーに悩まされている大人と違い、既成概念に捉われないストレートな情熱があるのです。彼らには自分の気持ちを表現し、感情をぶつけ、生きがいを見出し、泣いて喜んで笑うという、大人が失くしてしまったダイナミックなキャラクターがあります。それ故「今のままでは駄目ですよ」という思いを、全国紙で大胆に主張できるのです。だからこそ、日本の将来はまだまだ明るいぞ、まだ希望があるぞ、まだイケル!と思えてくるのです。

成田が真の国際都市になるために

日本には明るい未来がある、ということはその一都市である成田にも大きな希望があります。その未来を築いていくために、大人も若者も老人も志を一つにして前進していくことが大事です。特に多種多様の国際文化に対して違和感や偏見を持たない若者たちが、あのジホールバルの競技場で見せてくれたように、その力を素直な気持ちで発揮できることが不可欠です。それは決して容易いことではありません。複雑な問題や大きな落とし穴がたくさん待ち構えていることでしょう。

しかし、日本は「モノがちがう」のです。私たちには素晴らしい歴史があり、優れた文化があります。それらを梃子にして若者たちの力を活かすことができれば、世界に貢献する力がまだまだ残されているのです。

そして成田は、日本の玄関として真の国際都市になり得るのです。その道を探ることが私たちの役目と考え、先に「成田が真の国際都市になるための12ヶ条」を掲げました。ここには、今皆さんが関心を持つテーマが必ずあるはずです。 今後本紙では、この一つ一つをテーマに、より良い社会を作るために皆さんと共に語り合い、討論していく場を提供していきたいと考えています。

(文・中島尚彦)

© 日本シティジャーナル編集部