日本シティジャーナルロゴ

成田POPラン表彰台への道のり
無理をしない適度なランニングこそ健康寿命を延ばす秘訣

この記事を筆者が執筆している今、まだ、2019年成田POPマラソンは開催されていません。しかしながらもしNCJに掲載されているとするならば、筆者の想定どおり遂に、成田POPランで1位賞を獲得したということです。その前提で執筆を始めることに、いささかの躊躇はありませんでした。というのも、今年こそは怪我さえしなければ、ほぼ確実に優勝できるという自信がみなぎっているからです。

秋晴れの中、成田POPランがスタート !
秋晴れの中、成田POPランがスタート !
そもそもなぜ、成田POPランをかれこれ10数年も毎年走り続けているのでしょうか。ことの発端は2003年、筆者が45歳の時です。知人の薦めに後押しされて、走るのが大嫌いだった自分が、何と、ホノルルマラソンに挑戦することになったのです。そして4か月後の初マラソンでは、想像を絶する厳しい洗礼を浴びることとなり、「もう走るのはやめる!」と自分に言い聞かせながらも、何故かしらふと気が付くと、再びマラソンにチャレンジしている自分がいました。

それから7年間、フルマラソンの大会を国内だけでなく、世界各地で20回走り、幾度となく3時間とび台の好記録を達成するも、結局はサブスリーを達成することができませんでした。しかも10年程前の成田POPランのハーフでは、自らのフルマラソンが絶頂期でもあったことから、必ずや優勝と思っていたところ、なんと1位に7秒差で負けてしまい、2位に甘んじてしまったのです。その悔しさといったら、今でも忘れられません。もう少し、気合いをいれてラストスパートをかけていたら、絶対に追い抜くことができた相手だったのですが、その「強い気持ち」が足りなかったのです。ランニングの競技では、その「強い気持ち」、「絶対に負けない」、「必ず勝つ!」という精神力が最後の勝利の決め手になり、より気持ちを強く持つランナーが、最終的に表彰台のトップに輝きます。

ところがマラソンには無理が付きものです。そのうち、体のあちこちに支障をきたし始め、特にふくらはぎとハムストリングスの怪我は、どうしても痛みがとれなくなってきたことから、フルマラソンから撤退することを決めました。十分にマラソンの世界を満喫しただけあって、悔いはない、と言いたいところですが、つまるところサブスリーを達成することができなかっただけでなく、成田POPランでも優勝できなかったことが心残りとなりました。

そもそも人間はなぜ走るのか?

筆者の周りには何故かしら、運動嫌いが多いのですが、理解に苦しみます。人間は、そもそも日々運動して、走るように体が造られています。蟻んこが、のんびりとひなたぼっこばかりしているでしょうか。鳥が孵化して成長しても、巣の中にずっと引きこもっているでしょうか。蝉が飛ばないまま、ずーっと「ミーンミーン」と鳴き続けて木にへばりついているでしょうか。モグラが土の中でずっと隠れていることなど考えられるでしょうか。ミツバチがずっと巣の中でもぞもぞとしているでしょうか。

動物とて、教えられることなく天性として、生まれた時から動いて運動することを自然に体得していきます。キリンのような足の長い動物でも、生まれたての赤ちゃんでさえ、出産直後から自分で立ち上がろうとします。子犬の赤ちゃんとて、目が開いた頃から走り回ることを覚え、寝ては起きて、また走るという運動を自然に繰り返します。モルモットなどの小動物では、ひたすら走りまくって体調を常にベストコンディションにしようという習性があります。

人間も同様に、本来は赤ちゃんの頃から自然と動くことを学び、1歳前後から立ち上がり、そして歩き始め、そのうち、走ることを学び、体の筋肉を強化していくことを自然と体得します。その自然の流れを妨げてしまうのが、もしかして近代社会の機械文明なのかもしれません。移動手段もより高度な自動化が進む最中、いつしか人間は自分が歩かなくても、走らなくても、移動することが可能になり、何ら労することなく思いのままに動くことができるようになりました。その結果が運動不足です。近代社会の高度文明という御墨つきの社会に生まれ育つ私たちは、いつしか、運動することの大切さよりも、楽に、かつ思い通りの結果をだすことを、より重要視するようになったのではないでしょうか。

富士裾野マラソンを走る大勢のランナー達
富士裾野マラソンを走る大勢のランナー達
だからこそ、「運動しましょう!」「毎日歩きましょう」、「ダイエットしましょう!」「週3回は筋トレしましょう!」というようなシュプレヒコールともいえる号令がメディアでも飛び交い、その大切さを再認識した人々が増加しているのです!自分の体調管理の重要性に目覚め、定期的に運動をしながら本来あるべき体の姿、すなわち体調をベストコンディションに近づけることにより、健康寿命がさらに伸び、より充実した人生設計を営むことができるようになります。

それでも走るのが大嫌いだった筆者は、テニスの選手として活躍した10代の時でさえ、あえてランニングは嫌っていました。走るならば、テニスコートの上だけで十分!そんな思いからか、自分のトレーニングではランニングというものの位置付けが極めて低かったことを覚えています。それから20数年間、殆どランニングなどしたこともないまま、週2-3回、ウェイトトレーニングをするだけの生活が続きました。正直、毎日走ることには今でも抵抗を覚えます。なぜなら、走り始めがきついからです。足が動きません。体も硬いです。そして何とも言えない不快感が足から脳に伝わり、「なんでこんなことしているの?」と自問自答してしまうほどです。それでもしばらく走っていると、ちょっとだけ、快適な思いになります。

その頂点ともいえる体験が、青天の霹靂のごとく訪れた、ホノルルマラソンでの洗礼です。あの4時間の苦しみと痛みに耐え抜いた大会の数か月後から、走ることの快感が少しずつわかるようになってきたことが幸いでした。

人体に害を及ぼす過激なマラソン?

走ることは、健康に良いことです。誰でも、日々ランニングして、健康管理に気を付けるならば、健康寿命もさらに長くなり、より充実した人生を送ることができるようになります。しかしながら、マラソンは体に毒、ということを時折聞くことがあります。確かにマラソンランナーで長生きした選手は、あまりいないようです。その原因は、体に無理をすることを強要するからに他なりません。

長距離マラソンともなれば、持久力が問われ、ひたすら我慢比べになります。体は疲労を極め、脱水症状のため血管内はどろどろ。筋肉は疲労のあまり悲鳴をあげて肉離れ寸前となり、栄養失調のため諸々の内臓器官も崩壊寸前となります。その危機的な状況を察知した脳は、ランナーにたいして「もうやめなさい!」「止まりなさい!」という信号を発信するも、その信号を無視してランナーは走り続けることから、体のあちこちに鋭く、時には鈍痛ともなる痛みが生じ、苦しくなるのです。

苦しみを乗り越えてゴールする瞬間
苦しみを乗り越えてゴールする瞬間
マラソンに勝つためには、その苦しみを乗り越えることを意味します。よって、競技に勝つために激しい練習をするランナー達は、そのような脳信号を無視する術を学んでいくのです。痛い!と言われれば、「こんなの痛くない!」と言い返し、止まれ!と言われれば、「まだまだ!」と自分に言い聞かせ、苦しすぎる!という思いが生じれば、「周りも苦しいんだ!」「こんなの何のその!」と、気合で走り抜くのです。それは当然ながら体に無理をすることを意味し、体の細胞を著しく痛めつけるだけでなく、時には精神構造までも歪めてしまうことになりかねません。

そのような無理な運動が長期間続くと、体が徐々に壊れていきます。長寿の敵は、体に無理をすることです。つまり、その極めがマラソンと言えます。よって細胞は修復不可能なレベルまで傷つき、筋肉は硬化し続けて凝り固まり、体のあちこちに痛みを覚えても、それを当たり前のこととして受け止めることに慣れてしまうことから、いつの間にか体の細胞が必要以上に酸化し、体全体の老朽化が加速して、短命に終わりがちになってしまうのでしょう。

老若男女問わず最後まで我慢する競技
老若男女問わず最後まで我慢する競技
そこで今いちど、健康管理のために汗を流して走ることと、競技マラソンとは異なることを再認識しましょう。健康にプラスに働く走りとは、決して無理をして走ることではなく、ひとりひとりの力に応じて、心地よく汗をかき、楽しく走れる範疇にあるのです。無理して走るということは、たとえそれが10㎞走であっても、ハーフマラソンであっても、体に悪いことに変わりはありません。ましてや競技会において、体が疲労しきっているレースの終盤、苦しいのを我慢して全速力で脈拍200に向ってまで最後の400mを走ることなど、もっての他です。心臓にも負担がかかり、心肺停止になりかねません。だからこそ、無理をせず、楽しく走ることが大事なのです。そしてそれを長年、継続することが重要なのです。誰でも週4-5回、5㎞、10㎞と楽しく走ることができれば、健康寿命は増し加えられることでしょう。

そうは言っても人間は弱いものです。日々、運動することが大事だといっても、わかっていても、いつの間にか運動しなくなってしまうのが現代社会の人々の姿ではないでしょうか。日々、あまりに忙しく、時間が足りない人もあれば、体を動かすのがおっくうという人も多いのです。そして苦手意識が先行してしまい、ついつい運動しないまま、歳をとってしまうのです。

遠野ジンギスカンマラソンでは街中を走る!
遠野ジンギスカンマラソンでは街中を走る!
継続して運動をするには、何らかの目標をたてるとよいでしょう。友達と一緒に走る約束をして、時間を決めて走るとか、年に1,2回は中距離のマラソン大会に参加することを決めて、それに向けて日々トレーニングする、というような姿勢が重要です。実際、走ることの大切さに目覚めた多くの人達は、全国各地で開催されるマラソン大会に参加するようになり、参加者は毎年、うなぎのぼりです。今や、メディアでも脚光を浴びるようになった市民マラソンに参加することこそ、自己改革のカギになるかもしれません。

筆者も例にもれず、フルマラソンの大会からリタイヤした後も、何等かの大会に継続して参加し、そのためにトレーニングをしなければいけないな!と思ってきました。そういう目標を掲げないと、いつの間にか運動不足になり、体重も増え続け、成人病のリスクが高まってしまうのが自らの宿命です。そしてどうせ大会には出場するなら、勝ちに行こう!という気持ちが生じてくるのです。1位になりたいという願いを捨てられないのが自分の性分なのでしょう。これまで幾度となく、2位、3位に終わる苦渋を味わってきただけに、体を痛めつけてでも、1度は優勝することを夢見て出陣することにしました。

成田POPラン10㎞走での優勝が目標!

2019年の成田POPランでは10㎞の種目にエントリーし、確実に優勝するために、半年前からトレーニングをきちんと積むことをまず心に決めました。2010年からは1年に1回、継続して成田POPランで、ハーフか10㎞走に参加しています。特にここ数年はハーフを避けて、10㎞走に集中しています。ハーフよりも体の負担が少なく、また、自分の力をフルに発揮すれば、優勝できるチャンスがもっとあるからです。成田POPランは、年代別に部門が分かれているだけでなく、参加者も多いことから、一般の部と、成田市民の部という2部構成になっています。そして成田に在住、または仕事をしているランナーは、成田市民の部に申し込むことができます。簡単に言うと、成田市民の部の方が断然、優勝を狙いやすいのです。ところがその成田市民の部でも、筆者はこれまで一度も優勝することができなかったのです。

記録を振り返ってみると、数々の大会で2位、3位、4位と、なぜか1位だけが空白です。2017年は筆者の歳も大台替わりとなり、10年ごとに区切られる年齢層故に圧倒的に有利な立ち位置になることから、思い切ってハーフから10㎞走へと転向し、優勝に向けてチャレンジしました。ところが安易に考えすぎたのでしょうか、2年続けて良い結果を出すことができませんでした。それもそのはずです。週1-2回しか走ることもなく、また、体重もベストの61kgからほど遠い65㎏のままで、スピード感をもって走るには重すぎたのです。これではレースに勝てるわけがありません。そこで2019年こそはと、年始から作戦を練り直しました。

まず、きちんと毎日走ることを心がけ、レース直前は日々10㎞走る!次にスピードトレーニングをきちんと交えて練習し、レース時に走る速度よりも時速1㎞以上早いスピードで走り込むトレーニングを週3回は積むことです。そのうえで体重を減らしていきながら、大会直前までに、理想体重の61㎏にまで落とすことを目標として定めました。

ところがそうは決めても、いざ、実行するとなると、フルマラソンから撤退して久しく時を経ていたことから、どうしてもさぼってしまう自分がいました。そこでまず、走ることを楽しみ、かつ目標を持つためにも、全国各地で行われている10㎞走の大会に月1回は参加することにしました。大会に参加することによって、競技慣れして体の調整ができるだけでなく、体を鍛えて絞り込むことにより、徐々にチューニングしながら記録を伸ばしていく楽しみが増えるのです。

遠野じんぎすかんマラソン
遠野じんぎすかんマラソン
自分の部屋の片隅には、2019年に参加した全国の10㎞大会の認定証が積み重ねてあります。それをめくって見るだけでも、マラソン大会に準じた面白い名称が目に留まり、いろいろな思い出が蘇ってきます。その中には、長井マラソン(山形県)、久慈あまちゃんマラソン(岩手県)、遠野じんぎすかんマラソン(岩手県)、日本海メロンマラソン(秋田県)、わかさぎマラソン(青森県)、富士裾野高原マラソン(静岡県)、春日大凧マラソン(埼玉県)などが含まれます。よくここまで各地を飛び回りながら今年は走り込んだものだと、我ながら感心してしまいます。その中には富士裾野高原のようにアップダウンの激しいコースもあれば、長井のようにおよそフラットなコースもあります。そしてコースの難易度やトレーニングの成果に準じて、記録も当初の10㎞50分から徐々に毎回の記録更新に成功し、最終的には目標としていた45分切りを達成できたのです。

激しいトレーニングに再挑戦!

フルマラソンと違って、10㎞向けのトレーニングでは、よりスピードトレーニングが重要視されます。そのスピードトレーニングが、歳をとるにつれて段々とつらくなってくるのです。歳をとっても、どちらかと言えば長距離マラソンは、勝利に分があります。それは、長距離であるがゆえに脚力やスキルだけでなく、忍耐や精神力、すなわち「気持ち」の強さが勝敗を分けることになりやすい競技だからです。それ故、長距離になると、年配のランナーでも結構、素晴しい記録で上位に入る人が続出します。

ところが10㎞という中距離になると、状況は一変します。無論、スタミナ、体力は重要ですが、と同時にスピード感ある走りも求められてくるのです。ごく一般的にマラソンでサブスリーは、凄い、と言われています。それは時速14.1㎞で3時間走り続けることを意味します。これが極めて難しいことなのは、マラソンを走ったことがある人ならすぐにわかります。それが10㎞マラソンになると、早い選手では時速15-17㎞以上で走ることが、当たり前の世界になってしまうのです。それがどれだけ早いスピードであるかは、自転車をこいでみれば、おわかりになっていただけると思います。よって、10㎞マラソンのトレーニングには、スタミナに加えて、スピードトレーニングが不可欠です

でも人間は歳をとるにつれて筋力が衰え、特に瞬発力がなくなってきます。筆者も加齢と共に、以前は時速15㎞で5km走を練習していたものの、今では14kmに落としても、苦しくて走りきれません。筋力が伴わないことから気持ちがついてこれないのです。よって加齢と共に、スピードを落として長距離を走る方が、短い距離をハイスピードで走るよりも、ずっと楽に感じるようになってきます。

また、早く走れば走るほど、筋肉の損傷が激しくなり、ふくらはぎや大腿筋、ハムストリングスを痛めやすくなってしまいます。だからこそ、自分が走れる限界に近い高スピードで1㎞から2㎞の距離を、淡々粛々と一定のハイスピードで走るサイクルを繰り返すスピードトレーニングは難しく、以前にも増してつらく感じてしまうのです。そのため、日ごろから筋トレをすることが不可欠となります。ランナーにとっては、上半身のトレーニングも重要になります。なぜなら、体全体のバランスを保つために、特に背筋と腹筋の持久力が不可欠なだけでなく、それに伴い、腕や足、胸筋なども鍛えていかなければならないからです。それでも、スピードトレーニングにおける怪我のリスクは絶えません。

残り300m、力を出しきるべくラストスパート
残り300m、力を出しきるべくラストスパート
それらを百も承知のうえで、とにかくPOPランで優勝するためには、日々のランニングに加えて、週3回のスピードトレーニングを継続して実践しなければならいと心に決めました。そして自分が掲げたノルマをこなすことができれば、必ず優勝できると信じたのです。以前は10㎞走を40分で走ることを目指していましたが、2019年の大会では、過去の優勝者が走ったデータから、とにかく45分を切ることが年代別で1位賞を獲得できると目論みました。

ゴール直後の筆者
ゴール直後の筆者
10kmを45分以内でゴールするということは、時速13.5㎞で最初から最後までコンスタントに走り切ることを意味します。その体感速度を軽減するために、10-15㎞を走り抜けるトレーニングだけでなく、週3回のスピードトレーニングがあるのです。そして時速14.5㎞で1-2㎞走を繰り返すことにより、実際のレース時で走る時速13.5㎞が快適に感じられるように、トレーニングを積みました。ところがこのスピードトレーニングがとてもつらいのです!10年前ならば、トレッドミルと呼ばれるランニングマシンを使って時速15㎞で5㎞走を繰り返すことになっても、何とか走り終えることができました。ところが今では時速14.5㎞で3㎞を走ろうと思っても、走り始めて数分後に自問自答がはじまるのです。「なんでこんなつらいことをしているの?」「このボタンを押してマシンを止めてしまえ!」、と頭の中で言葉が行きかうのです。その結果、走り始めた直後、すぐに赤いSTOPボタンを押して、マシンを止めてしまうことが少なくありませんでした。それほどまでに、スピードをあげて走るということは肉体にストレスがかかるだけでなく、精神的にもかなりのダメージが生じます。

ゴール後に倒れ込むほど苦しみを我慢
ゴール後に倒れ込むほど苦しみを我慢
スピードトレーニングは、ひたすら我慢の勝負であり、気持ち、やる気がすべてなのです。「何が何でも走り終える!」と自分に言い聞かせ、それを実行する精神力が問われることになります。60代のランナーにとってスピードトレーニングの2㎞走、3㎞走は本当につらく、それをどこまで我慢して、走る続けることが出来るかが、勝利の鍵になります。

4㎏の減量にチャレンジ!

スピードトレーニングはつらいものです。しかしそれ以上に難しいのは、もしかしたら減量との戦いかもしれません。誰しも、自分が持つ最高のコンディションで走るためには、体系に応じて理想の体重を実現しなければなりません。特に中長距離のマラソンでは、上手に体重をコントロールして体脂肪を減らすことが重要になります。胴回りの重さが2㎏減るだけで、体が軽くなるのは当然のことであり、足腰への負担が軽減します。逆に体重が10㎏増えるということは、両手に5㎏ずつ錘を持って走るようなものです。体の筋力とスタミナを保ちながら、いかに体を軽くし、体脂肪を絞るかが、大会に勝つか負けるかの境目となります。そしてトップランナーの目標は、やはり体脂肪10%前後が理想に近い数値となることから、その10%を目指して減量です!

筆者は40代、フルマラソンを始める前は、74kgの体重がありました。それからサブスリーを目指して月300㎞ほど走るようになり、ものの数か月で65㎏まで減らすことができました。それでも体脂肪は20%前後までしか下がらず、フルマラソンを走っていた頃は、レース直前に向けて、さらに60㎏前後まで体重を絞ったのです。それが自分の理想体重だったのです。でもそれは10年以上前の話であり、自の体も還暦を超えた今、そう簡単には体重調整ができなくなったように感じています。

ここ数年間、10㎞レースに参加する際には体重調整をしませんでした。普段の65㎏のまま、しかも大会前日の晩でも普通に食事をしてビールを飲んでいたのです。そんな準備態勢ではまともに走れる訳がありません。実際、レース時の走りは苦しく、みじめなものでした。無論、体が重く感じるだけでなく、3-4㎞地点でもう、走るのが嫌になるほどつらくなり、「やめたい、やめたい」と自分に言い聞かせるような始末でした。走り込んでいなかったことも重なり、苦渋の体験を2年連続にして繰り返してきたことに終止符をうつべく、遂に2019年、今一度、まともに自分の体を調整することにしました。つまり、日々のランニング、ウェイトトレーニングだけでなく、体重調整にも励むことにしたのです。

理屈から言うならば、体重のコントロールは難しくないはずです。ご飯やパンなどのカロリーの高い炭水化物を避けて、高蛋白質の肉や魚、そして野菜を中心とした食生活に変えるだけです。無論、甘いデザートなどは一切避けなければならず、飲み物にも注意しなければなりません。特に就寝前に食することは厳禁となります。筆者は元々間食が好きではなく、お腹を空かしてから食べる、という習慣がついていたこともあり、1日3度の食事だけで十分と考えていました。しかしながら、仕事の帰りが遅くなると、どうしても夕食の時間が遅れがちになり、食べてからすぐに寝てしまう、といことが時折あったことから、まず、その悪習慣を断ち切ることに努めました。寝る前にお腹がすいていると、朝起きた時、空腹を覚え、体の調子がとても快適になることは誰もが体験することです。よって、寝る前には絶対に食べない、と自分に言い聞かせたのです。その節制がちょっと難しく、時折、おせんべいやピーナッツなど、ちょっとしたおつまみを口にしてしまうことがありました。

走った後のビールはこのうえなく美味しい!
走った後のビールはこのうえなく美味しい!
最も難しいチャレンジは、何といってもお酒です。筆者は食事と一緒にビールかワインを飲むことを常としています。特に、激しいトレーニングをして汗をいっぱいかくと、その後のビールが格別に美味しいのです。特に今年の夏は7月が大変暑く、1回のトレーニングで少なくとも1リッターから1.5リッターの汗はかきました。そして厳しい練習を繰り返す中、毎度のように練習後のビールはおいしいぞ!と自分を励ましている自分がいたのです。ビールは1日、中ジョッキ1杯まで、と心に決めても無駄でした!毎度のことのように、もう1杯くらいはいいだろう思いつつ、ふと気が付くと3杯飲んでしまうのです。ビールを飲む、飲まないで、減量できるかが決まってしまう、といっても過言ではないのです。

今年こそ優勝を目指して頑張ることを心に決めていたことから、特に9月に入ってからは減量のペースをあげ、何とか理想の61㎏を目指して、お酒の量も普段以上にコントロールしました。ご飯とパンは大幅にカット、間食はせず、寝る前にも食べるのをやめたことから、自然と体重は減少するも、やはり63㎏前後から一向に下がりません。それもそのはず、ビールとワインが原因であることは火をみるより明らかでした。そして遂に自分に言い聞かせるようにビールカットデーを設け、代わりにお水を飲む日を設けたのです。そんなやりくりを続けながら、かろうじてPOPランの大会前には遂に、理想体重の61㎏に到達することができたのです。振り返ると、この減量は大きなチャレンジだったと、今さらながら痛感します。

表彰台は一番高いのがやっぱりいい!
表彰台は一番高いのがやっぱりいい!

成田POPラン1位賞おめでとう!

2019年11月10日、天皇陛下の祝賀パレードが午後3時から行われるその日、日本列島は高気圧におおわれ、関東一帯はほぼ、雲一つない絶好の天気に恵まれました。成田市でも早朝の気温は8度ではあったものの、太陽が昇りはじめてからがぐんぐんと気温があがり、10時には15度となる最高のランニング日和です。そんな吉日、思いどおり成田POPランで念願の1位賞がとれたことをご報告いたします。自分で自分を褒められる数少ない人生の祝福の日でした!

仲間はハーフで1位!アベック優勝だ!!
仲間はハーフで1位!アベック優勝だ!!
また、会社仲間の萬谷氏は、ハーフマラソンの部で優勝という快挙を成し遂げました。自分の会社から2人の優勝者がでるという、思いもよらぬ最高の祝福に、自ら感動すると共に、大勢の方々からお祝いの言葉を受けました。応援、ありがとうございました!

(文・中島尚彦)

© 日本シティジャーナル編集部