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第8回 自分の健康は自分で守る

私たちが元氣で生活することができるためには、良く眠り、美味しく飲食ができ、大・小便の円滑な排泄がなされることが重要です。東洋医学では、これらを「三快」と呼んでいます。今回は睡眠について考えてみましょう。

赤ちゃんは一日中眠っていると考えていい程よく寝ています。おなかがすいたりおしめが濡れたりすると、泣いて知らせる以外はほとんど寝ています。一日の覚醒と睡眠のリズムは小学校に上がる頃に一定の完成をみるといわれています。成長期は9時間前後の睡眠時間が必要ですが、身長の伸びが終る頃には8時間をおおよその目安とされています。

尤も、生活習慣のリズムによっても個人差があります。また、心身の疲労度、飲酒、多飲多食などの場合は、生体は普段より睡眠を欲します。このように環境や社会的条件によっても、必要な睡眠の深さや時間は異なってきます。

また、睡眠のコントロールは脳が司っています。不安や悩み、何かに恐怖を抱いているとき、逆に喜びで興奮していたりしても、就眠しづらいものです。

そもそも睡眠とは覚醒時に比較して脳への血液の流れが緩慢になり、従って血量も少なくなります。興奮状態とは、脳の血管が拡張し、血液が正常時よりも多量に流れる状態をいいます。ですから紅茶や緑茶、コーヒーを就眠時近くに飲むことで寝つかれなくなるというのも、これらには脳の血管を拡張する作用を持つ、カフェインが含まれているからなのです。

さらに検討しておきたいことがあります。病氣や症状についてです。骨折時などの痛み、喘息などの激しい咳と喀痰、皮膚疾患などによるかゆみ、鼻炎に伴う鼻汁、鼻閉、精神・神経症、こういう場合は、その病症の治療を第一義とすることはいうまでもありません。

通常良く眠れるためには、睡眠のための養生法を守ることです。すなわち、生体のリズムを確保すること。今日の生活では暗くなったら寝床に就く、朝明けたら起床する、といったことは無理かもしれませんが、上の条件に少しでも近づく努力をすることです。快眠は明日への英氣を養う必要条件なのですから。

(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
  • 1939年、茨城県常陸大宮市生まれ。

大塚敦節氏に漢方を、小川晴通氏に鍼灸を師事し、東京医療専門学校卒業後半年で母校の講師となる。中国医学研究会設立に参画、日中医療普及協会会長、東京都日中友好協会常任理事等、日中の友好関係へ尽力。

現在、一本堂横山鍼灸療院院長、東京医科大学にてホリスティック医学を講義中。「カラー版鍼灸解剖図」「アレルギーはツボで治る」など著書多数。

  • 診療所:東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
  • お問合せ:03-3359-6693

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