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第40回 自分の健康は自分で守る

風邪の予防に、昔から乾布摩擦は有名で、多くの人々に知られています。風邪は感冒ともいわれます。身体が冷えたり、濡れたまゝだと、体温が奪われ、結果冷え、呼吸器系の炎症が現われる。こうした症患を総称していうのです。

この時季、太平洋側の地方は、空氣が乾燥し、しかも寒氣厳しいです。こうした条件で元氣を出す病原体に、インフルエンザ、つまり感行性感冒があります。

日本列島の日本海側は対馬暖流が流れています。この海流は琉球辺りを通り過ぎ対馬海峡をはさみ延々と進み、津軽海峡を抜け、津軽暖流となって太平洋沿岸を南下するのです。一方津軽暖流から別れた海流は、何んと宗谷海峡からオホーツク海に入り宗谷暖流となってサハリンの西沖にまで至るのです。

日本海を流れる暖流からは、水蒸氣が盛んに海面から昇ります。折から大陸から乾いた寒風が吹きつけ、そのたっぷり蒸氣を含んだ空氣を抱き込み、日本列島の背骨といわれる山脈に当ります。その空氣は上昇氣流となりより高い冷い空氣にさらされます。こゝで雪などとなって、日本海側の山々に舞い降りることになります。湿氣を失った空氣は、いわゆる空っ風となって大平洋側にやって来ます。

こうした条件下で、インフルエンザが流行することになるのです。こゝで大切なことは、インフルエンザウィルスという病原体に感染しても発病しない、身体に抵抗力を付けることです。栄養に、睡眠、休養に留意します。

外出し、帰宅したら、うがい、手洗いを励行すること。そして冒頭に記した通り、乾布摩擦を習慣づけることです。東洋医学の重要な考え方に、病氣の原因、つまり外邪、体外から生体を襲うことが説かれています。知ったら実践すること。銘記しましょう。

海流

(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
  • 1939年、茨城県常陸大宮市生まれ。

大塚敦節氏に漢方を、小川晴通氏に鍼灸を師事し、東京医療専門学校卒業後半年で母校の講師となる。中国医学研究会設立に参画、日中医療普及協会会長、東京都日中友好協会常任理事等、日中の友好関係へ尽力。

現在、一本堂横山鍼灸療院院長、東京医科大学にてホリスティック医学を講義中。「カラー版鍼灸解剖図」「アレルギーはツボで治る」など著書多数。

  • 診療所:東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
  • お問合せ:03-3359-6693

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