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第54回 自分の健康は自分で守る

若い女性にとって月経は生理上、非常に大切な現象です。夜空に輝く月の満ち欠けの周期に、ほぼ一致するように28日の前後に順めぐってくるので“月経”と名付けられたことは周知の通りです。また人生初めての月経を初潮といいます。月の運行に応じて、海水の満ち潮、引き潮が生じることからの命名であるといわれます。

月経のことを「生理」という言い方が普段に使われています。生理痛、生理不順など。

今月は月経困難症について考察してみることにしましょう。「骨盤痛・腰痛・下腹部痛・悪心(はきけ)・嘔吐・下痢・不快感など、月経に随伴する一種の症候群」『岩波書店・広辞苑』より。ある統計によると不快なこれらの症状を訴える人は、何んと80%の女性にみられるといいます。いずれにしても、早いうちに婦人科の診査を受けることが肝要です。女性殖器に器質的な変化のないのを本態性月経困難症といい、器質的異常がみられるものを続発性月経困難症といいます。続発性月経困難症の場合は、一定期間、婦人科の診察を続けることがよいでしょう。

機能性(本態性月経困難症)の場合は、漢方薬・針灸・指圧療法が実に有効な力を発揮します。

ここでは指圧療法を取り上げましょう。治療の基本は生殖器の機能を上げることです。体力をつけ、血液循環を助けるツボを使います。生殖器に直接作用するツボを二点紹介します。ツボ名は関元(カンゲン)と三陰交(サンインコウ)です。

臍とその直下に手をずらしますと骨に当たります。臍とその骨との間を五等分します。臍から三等分下が“関元”というツボです。臍下丹田(セイカタンデン)と言われるところ、足の三里と共に有名な点です。もう一点は足の内うちくるぶし窩の最高点から手の親指以外の四本指。これを密着させたときの横幅分上で骨(頸ケイコツ骨)の後の点。これも有名なツボで、“三陰交”です。このツボの効能を記しますと、月経不順、月経痛、白こしけ帯、不正子宮出血、無月経(月経のあるべき年令にもかゝわらず、月経のない状態)はおろか男性の遺精、インポテンツ、早漏、骨盤腔炎、睾丸炎、それに遺尿、頻尿、腹痛、下痢、消化不良、片マヒ、ノイローゼと多彩です。

指圧とは文字通り、ツボどころに、親指を重ねて押すことです。一ヶ所に三分~五分、ゆっくり押します。一日三~五回、習慣づけることが重要です。

(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
  • 1939年、茨城県常陸大宮市生まれ。

大塚敦節氏に漢方を、小川晴通氏に鍼灸を師事し、東京医療専門学校卒業後半年で母校の講師となる。中国医学研究会設立に参画、日中医療普及協会会長、東京都日中友好協会常任理事等、日中の友好関係へ尽力。

現在、一本堂横山鍼灸療院院長、東京医科大学にてホリスティック医学を講義中。「カラー版鍼灸解剖図」「アレルギーはツボで治る」など著書多数。

  • 診療所:東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
  • お問合せ:03-3359-6693

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