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第66回 自分の健康は自分で守る
不眠に良く効くツボ

眠れないということが、いく日も続くと大変です。心身ともにダメージを受けます。精神・神経科の入院患者さんの多くが、不眠を訴えていることを前回記しました。その続きはちょっとひと休みし、一般的な不眠症の対策について考えてみましょう。そもそも眠りとは、どういうことか?調べてみました。

生物である、植物や動物は大自然の周期に支配されています。つまり活動と休息を繰り返しており、このことは、私達の環境に目をめぐらせ周囲をよく観察すれば分かるでしょう。草には一年生もあれば多年生のものもあります。春に芽を吹き花が咲き、秋には果実や種子をつけ、やがてその実や種子を土に落とし、次代へと継げます。樹木も大地に根を下ろし、四季にそれぞれの姿を装い、年々歳々生きています。動物も又、次々と子孫を継ぎます。この繰り返しなのです。

活動と休息。私達人間は、昼に働き(動き)その疲れを睡眠によって癒し、明日への活力を蓄えています。

眠りに入ると、脳内の血流量が昼間に比べて減少します。これが、活動中との決定的な違いです。さらに血圧や呼吸数、体温も一定の割合で下がります。例えば、呼吸が深くなり、口腔の後部と喉頭にある筋肉が緩み、呼吸のための通路が狭くなって雑音が生じます。これが…いびきです。

よく、就寝時より3~4時間前には、紅茶や緑茶、コーヒーなどを飲まない方がよいといわれます。これらには、カフェインが含まれているからです。カフェインには、脳内の血管を拡張させる作用があるためです。つまり、眠りとは生理的に一定の血流が昼間のとき(・・)よりも緩慢になることなのです。脳内に血流が盛んに循環することを興奮といいます。“血液が頭に昇る”とか“頭にくる”というのがこの状態です。

さて、不眠に効果のある経穴(ツボ)の紹介をしましょう。以前にも申し述べましたように、私達は生まれながらに、体にツボを備えて、この世に現われました。そのツボを知り、上手に刺激することで、未病を防ぐことができるのです。なんと経済的なことでしょう。

不眠に効くツボは、耳たぶの後の骨のさらに後にある柔いところ、完骨(カンコツ)というツボです。さらに、その後の(くぼみ)風池(フウチ)というツボです。これらのツボを就寝前に、母指で丹念に5~7分ほど指圧します。自分でするもよし。家族に押してもらってもよし。実に良く効くツボです。ぜひ、お験し下さい。

ツボ

(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
  • 1939年、茨城県常陸大宮市生まれ。

大塚敦節氏に漢方を、小川晴通氏に鍼灸を師事し、東京医療専門学校卒業後半年で母校の講師となる。中国医学研究会設立に参画、日中医療普及協会会長、東京都日中友好協会常任理事等、日中の友好関係へ尽力。

現在、一本堂横山鍼灸療院院長、東京医科大学にてホリスティック医学を講義中。「カラー版鍼灸解剖図」「アレルギーはツボで治る」など著書多数。

  • 診療所:東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
  • お問合せ:03-3359-6693

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