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第67回 自分の健康は自分で守る
こむら返りの予防法

今年の春は、天候が不順でした。三寒四温の時季とはいえ、あまりにも寒暖の差が激しい日々が一日おきにやって来るようで、四月の末になってようやく春になったと感じられるようになりました。

冬の間は屋内に閉じ籠りがちですが、暖かくなると外に出てスポーツや散歩など自然と身体を動かしたくなるものです。また、この時期は卒業式・入学式があり、サラリーマンは転勤やそれに伴う引越もあります。寒い間はあまり運動をしていなかった身体を活発に使うようになります。このようなときに、筋肉や関節のトラブルがよく見受けられます。

今月は“こむら(・・・)返り”について考えてみましょう。こむらとは、腓腹筋(ひふくきん)(ふくらはぎのこと)を指しています。こむら返りのことを診断名では「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」といいます。運動神経の障害や中毒性疾患から発症することがありますが、ここでは省略することにしましょう。

健康な人であっても運動中にしばしば発症します。たとえば、筋肉の疲労、ウォーミングアップが不充分、冷水中での水泳、テニスのサーブで爪先立ちになった時などに、急にふくらはぎが痛み出し、そして痙攣し運動が一時的に不能になります。そんなときでも、少し時間が経てば痙攣や痛みが楽になるのは、症状として軽い方です。中には、しばらく痙攣と痛みが続く場合や、痙攣は治まっても痛みがずっと後まで残ることがあります。そして、こうした状態をいく度となく繰り返すことで、(くせ)になってしまう人もいます。

救急の手当はどうしたらよいでしょう。まず、つま先を握って、足首を手前(甲側)に屈し、様子を見ます。痛みが軽減したら、ゆっくり元に戻します。そして痛む側の足の土踏まずを、両手の拇指で強弱を付けて押しましょう。効果があるはずです。

こむら返りを防ぐには、運動する前にウォーミングアップを充分に行い、急に激しい運動に移らないことです。足湯やふくらはぎの温湿布も有効な方法です。

こむら返りこむら返り

(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
  • 1939年、茨城県常陸大宮市生まれ。

大塚敦節氏に漢方を、小川晴通氏に鍼灸を師事し、東京医療専門学校卒業後半年で母校の講師となる。中国医学研究会設立に参画、日中医療普及協会会長、東京都日中友好協会常任理事等、日中の友好関係へ尽力。

現在、一本堂横山鍼灸療院院長、東京医科大学にてホリスティック医学を講義中。「カラー版鍼灸解剖図」「アレルギーはツボで治る」など著書多数。

  • 診療所:東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
  • お問合せ:03-3359-6693

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