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第88回 自分の健康は自分で守る
寒氣と乾氣が風邪の大敵

天氣予報(概況)で知られるように、冬季の日本の氣象は、北海道・東北・北陸・中国地方の日本海側では曇天や雨雪の日が多いですね。この訳は当然ながら自然の営みを理解しなければなりません。日本列島を洗う海流を調べてみましょう。海流には寒流と暖流があります。九州と朝鮮半島との間を流れる対馬海流は、暖流である黒潮の一支流で、琉球列島の近くから分かれ九州の西を通って日本海に周り、本州から北海道の西岸を経てカラフトの西岸に至るのです。夏季には北海道の東岸にまで達する暖流です。一方の本流である黒潮は、日本列島の東岸に沿って流れています。フィリピン群島東岸から台湾の東側、南西諸島の西側を経て日本列島の南側を洗い犬吠埼まで来ることになります。

はてさて、ここからが本論です。暖流の黒潮の支流である対馬海流は、繰り返しになるかも知れませんが、琉球列島の近海で分岐し、九州の西を過ぎて日本海に入ります。それがなんと北海道の西岸を経てカラフトの西岸にまで流れているのです。敢えて強調するのは、私たちの多くが、このことを忘れているからです。この対馬海流からは絶えず水蒸氣が上昇しています。また冬季には、北西からの寒氣が日本列島に向かって吹いています。対馬海流の水蒸氣は本州の屋根、つまり山脈で上氣流となり、さらに上空の寒氣とぶつかり、雪やあられ(霰)、みぞれ(霙)、ひょう(雹)を降らします。そして、山脈を越えると、空氣は乾燥し太平洋側に吹きつけます。それがいわゆる、空っ風、乾っ風といわれます。

鳥インフルエンザが変異すると、猛毒な病原体となります。この病原体は、寒氣と乾氣になると激しく繁殖し活動するのです。この時季、充分留意しなければなりません。すでに報道されている通りに、外出するときは、マスクをかけ、帰宅したら、うがい、手洗いを励行し、身体を冷やさないことです。勿論栄養の摂取にも氣を配りましょう。

付け足しのようになってしまいましたが、風邪の予防のツボを二つ三つ紹介しておきましょう。肘を曲げたとき、しわ(・・)ができます。このしわの外側の端、ここが曲池(キョクチ)というツボです。また膝の下で、側正中線、ズボンの縫いしろに当たるところで、グリグリとした骨が指に触れるあたりのすぐ下が、陽陵泉(ヨウリョウセン)。このレベルの前、足首を動かすと筋肉が隆起する部分が、有名な足の三里(サンリ)です。この三ヶ所に、指圧や灸をすえると、風邪ばかりか消化器の機能増進にもなります。

(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
  • 1939年、茨城県常陸大宮市生まれ。

大塚敦節氏に漢方を、小川晴通氏に鍼灸を師事し、東京医療専門学校卒業後半年で母校の講師となる。中国医学研究会設立に参画、日中医療普及協会会長、東京都日中友好協会常任理事等、日中の友好関係へ尽力。

現在、一本堂横山鍼灸療院院長、東京医科大学にてホリスティック医学を講義中。「カラー版鍼灸解剖図」「アレルギーはツボで治る」など著書多数。

  • 診療所:東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
  • お問合せ:03-3359-6693

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