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クルージング

ヨット

毎年、お盆休みは天候さえ恵まれれば2~3日のショートクルージングに出向きます。今年は西伊豆を目的地とし、総勢5名のメンバーです。出発前夜に集合し、早朝出発のスケジュールに備え通常は船内で仮眠するところですが、今年はアテネオリンピック開催、しかもサッカーの日本戦が2:00キックオフ。

フランスのワールドカップは自ら応援に出かけたほどのサッカーファンのKさんはハーバーに到着後、船の準備はさておき、守衛さんを口説き落として事務所の鍵を開けてもらいテレビ観戦の手配を済ませていましたが、深夜の人気の無いヨットハーバーでの応援の甲斐無く日本は負け、つかの間の睡眠をとり5:00には西伊豆に向け出港。夏の軽風、好天に恵まれ絶好のセーリング日和にさすがに眠く、交替で昼寝をしながらのんびりと西に向かい17:00稲取着。一風呂浴びて夕食後は全員疲れ果てて21:00前には寝てしまい、小学生の臨海学校よりも早い消灯時間となりました。

2日目は6:00稲取を出港し11:00には下田着。船内で昼食をゆっくり取り、午後は各自昼寝、町内散策と停泊中のヨットをベースに思い思いの時間を過ごします。実際に海の上でセーリングする以外にこういったゆったりとした時間を過ごすのも楽しみの1つです。お盆期間中は下田祭りを開催しており、町内のあちらこちらで山車の行列や、みこしの列がにぎやかに繰り出しています。土地によってお囃子の節、みこしの掛け声、山車の形状も微妙に違いますが、ここ下田での見所は山車の行列の先頭で三味線を弾く綺麗どころといったところでしょうか。夜は下田港の花火大会を停泊中の船上から見物。予算が無く20分で終わるしょぼい花火大会と地元の人から聞いていましたが、それなりに迫力ある花火を楽しみ、0:00出港に備え2時間ほど仮眠。

帰路は夏ならではのナイトクルージング。下田港を出て爪木崎をかわすあたりまでは潮の流れも有り波も高くチョットしたスリルを感じる程でしたが、そこを過ぎると波も穏やかになり、夜光虫の輝きと満点の星空に流れる流れ星を見ながら快適なセーリングで浦賀を目指します。出発前には男子サッカー日本戦でしたが帰路は女子サッカーをラジオで観戦。残念ながら日本は負けてしまい、オリンピックの中継も終わる頃東の空が明るくなり夜明けが近づいていることに気がつきます。北の方に雲がかかり少し雨に降られることを覚悟していた6:00過ぎ、それまでのほとんど無風状態が一転して北北東の猛烈な風が吹き出し、海はあっという間に砕ける波で真っ白です。

こんなこともあろうかと持参してきた完全防水の合羽の首筋から染み入る水が体を冷やします。セールをおろす暇も無く叩きつける雨としぶきに打たれながら、東京湾の本線航路を行き交う大型船や、この猛烈な海の上でも釣りを続行している釣り人を満載した遊漁船を避け、一番近くの三崎港に逃げ込んだのが8:30。さすがに2時間の睡眠で夜通しセーリングし、最後の2時間は時化の海で揉まれ続けたため、天候の回復を待っている間はまた昼寝。13:00三崎港を出港し浦賀に着く14:00過ぎには雨も上がり雲も晴れ、対岸の内房の景色が手にとって見える程空気は透明度を増していました。14:30母港に到着し片付けをし、費用の精算をして解散。ちなみに今回のクルージング3泊3日の総費用は大人5名で5万5千円、一人1泊4000円かからず無駄遣いしない休みを過ごせました。来年はどこに行こうかなー。

(文:高坂昌信)

© 日本シティジャーナル編集部