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テニスの色変わり

白から黄色に変貌した「見やすい」テニスボール

白いイメージがモットーのスポーツといえばテニスが筆頭に上がるのではないでしょうか。テニスウェアからボールまで全てが白ずくめのスポーツとして歴史を積み重ねてきたテニスに、1970年代に異変がおきました。もっとボールを見やすくするようにと黄色のボールが登場したのです。白いボールに慣れきっていたプレーヤーにとって黄色いボールは当初、誰もがちょっとした違和感を覚えたものでした。しかし使い始めるにつれて「黄色のボールは見やすい!」と評判になり、瞬く間に世界中に黄色いボールが普及しました。特に日本は当時クレーコートが主流であったため、白いボールでは土で茶色になり、プレー中にボールが見難くなることがありました。その問題を黄色のボールが解決してくれたのです。ボールの色づけが許可された訳ですからテニスウェアの色制限も解除されるのは時間の問題でした。今日、他のスポーツと同様にテニスはカラフルなスポーツに変貌しました。といってもボールは黄色いボールが主流となり、由緒あるイギリスのウィンブルドン大会だけはあくまで白のテニスウェアにこだわりを持ち続けています。

(文:中島 尚彦)

© 日本シティジャーナル編集部