日本シティジャーナルロゴ

第9回 自分の健康は自分で守る

日本は地理的に恵まれた位置にあり、亜熱帯、温帯、亜寒帯、寒帯というように狭い国土ながら気候区分を数帯もっています。従って植物や動物の分布も豊富です。動植物の内には薬用にできるものも少なくありません。こうした中には、民間薬もあれば、漢方薬に供されるものが数多くあります。

民間薬とは日本に在来ある自然の動植物を日本人の手で見い出し、体験を通して、有用と認められた薬剤です。漢方薬とは中国の伝統医学に基づく、草根木皮の類の薬物を指します。

民間薬としてよく知られているものに、センブリやゲンノショウコ、ドクダミがあります。これらは山野草ですが、クマノイのように動物性の薬物もあります。

この時季、六月上・中旬はドクダミの花が咲いています。花の咲いている頃、全草、つまり地上に見えている部分から根までを採取して、水洗いをして天日に当てて乾し、その後、陰乾しにして保存します。

ドクダミの薬効は、利尿、強心、血管収縮とその強化作用、糖尿病、白内障阻止、種々の病原菌の抗菌、急性熱傷性浮腫抑制作用というように多用されます。ほか睡眠に効果が強大です。保存しておいたドクダミ20~30gを、水800mlを入れた薬缶に入れ30分で半分に煮つめて、粕を去り、その煎液を一日三回もしくは二回に分服します。また、灸に使われるモグサの原料であるヨモギはキク科。キク科の植物は芳香性が高いので、乾燥したヨモギを袋につめて、枕元に添えて置いてもよいです。晴れた日に蒲団(寝具)を乾すことも安眠の誘いに欠かせない条件ですね。

さて、先月号で睡眠について記しました。眠りは生きる上でどれほど大事なことかは、自身の体が良く知っています。ところが今日の多忙な生活で、ついないがしろにしていないでしょうか。身近な草木、器具、ツボを用いて、自分の健康は自分(達)で守るが、このシリーズです。ですから、一つ一つの連載記事を必要に応じて、活用して欲しいと思います。

(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
  • 1939年、茨城県常陸大宮市生まれ。

大塚敦節氏に漢方を、小川晴通氏に鍼灸を師事し、東京医療専門学校卒業後半年で母校の講師となる。中国医学研究会設立に参画、日中医療普及協会会長、東京都日中友好協会常任理事等、日中の友好関係へ尽力。

現在、一本堂横山鍼灸療院院長、東京医科大学にてホリスティック医学を講義中。「カラー版鍼灸解剖図」「アレルギーはツボで治る」など著書多数。

  • 診療所:東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
  • お問合せ:03-3359-6693

© 日本シティジャーナル編集部