弦を煮る ?

80年代前半、安価なアジア製品などはほとんど出回っていませんでした。ギターの弦も同様で現在のように1セット250円から手に入るものはなく、国産メーカーの弦がかろうじて1000円を切る価格設定でした。お金のない学生達は色々な工夫でやりくりしたものです。フォークソング部には「切れた弦を繋ぐ」という秘技まであったほどです。また当時流行ったのが「古くなった弦を煮て再生」。現在では、付着したゴミや油が落ちて一時的に戻った気がするという程度の効果しかないと言われており、もはや実行する人はほとんどいないでしょう。しかしそういった創意工夫こそが、良い音を求めるという気持ちにつながっていくのだと思います。
(つづく)

今月の1本 YAMAHA N-700
(1970年代、生産完了)
- 定価200,000円(当時)
- 表板:スプルース単板
- サイド&バック:パリサンドル
- ネック:マホガニー
- 指板&ブリッジ:パリサンドル
※第4回登場のN-500の上位機種。表板が単板になりペグもゴールド!
※現在この機種は販売されていません。
成田在住のアコギマニア。自宅には数十本のアコースティックギターがひしめいている。
現在も首都圏を中心に全国ライブ活動中。