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2014年(平成26年)10月18日発行第156刊毎月第3土曜日発行購読無料日本シティジャーナルvol. 156Nihon City Journal発行:ネットハウス〒286-0825千葉県成田市新泉14-3TEL 0476-89-2333 FAX 0476-89-2334[平日]10:00~19:00[土曜]12:00~17:00http://www.nihoncity.com成田市、佐倉市、印西市、富里市、香取市、山武市、船橋市千葉市(花見川区、美浜区)、習志野市、八千代市、四街道市酒々井町、栄町、小林、安食、多古町、横芝光町、芝山町、神崎町発行部数:500,000部オフシーズンの富士山、衝撃の登頂記録2014年9月23日、秋分の日、激動の1日が始まりました。健康で脚力があるうちに、一度は絶対に登りたいと長年思い続けてきた富士山の登頂にチャレンジする日が、遂に到来したのです。これまで2000メートル況となり、9月24日以降は天候が荒れることが予測されました。つまり、24日を過ぎると富士山頂では風が強くなり、雪が降る可能性も見えてきたことから、それ以前に出発するしかないことがわかりました。そして台風が級の山は何十回も登頂し、脚力到来する前に、晴れの天気予報と体力には自信があったことかがほぼ確定できる日を見つけよら、富士山も優に日帰りで頂上うと日々、天気予報と睨めっこを制覇できると考えていました。ましているうちに、その晴れ日がた、どうせ苦労して登頂するなら1日だけ見えてきたのです。それば、富士山の頂上からパノラマが秋分の日の祭日、9月23日の絶景を一望したいと、誰しもです。台風の雲がフィリピンから願うのではないでしょうか。そこ中国に北上し、そこから進路をで、シーズン中の大混雑を避ける変えて九州方面を覆ってくる状況ために、オフシーズンで、しかも下で、秋分の日が正に、ラストチャ雪の降り始める前の天気の良いンスであると断定したのです。日を、ひたすら待ち望んだのです。四系統ある富士山の登山ルート登山のターゲットは9月23日富士山に登ろうと決断するま当年とって5 6歳、もはや若くで、どのような登頂ルートがあはありません。そして富士山がるか、知る由もありませんでした。いつ噴火するかわからないとい富士山には主に四つの登頂ルーう可能性を考えるならば、今年トがあることをインターネット経を逃したらもう後がないと考え由の情報で知ったのは、登山すていました。それ故、9月に入るる1か月前の話です。富士山はやいなや、富士登山に関わる情世界遺産に指定されたこともあ報を読み始め、天気予報と仕事り、整備は行き届いているようのスケジュールとの睨めっこが始に見受けられ、随所に休憩所やまったのです。今や、かなりの正トイレ、山小屋などが用意され確さで10日先までの予報を随ています。そして登山者の経験時確認することができることかやニーズに応じて、四つの登山ら、インターネット経由の情報は、ルートから選択し、頂上を目指すとても重要でした。そして、天気ことになるのです。予報のデータから、シーズンが富士山へ向かう大道は御殿場終了し、混雑の緩和される9月ルートでしょう。古代の民は、お下旬に登山日のターゲットが絞そらく南方の御殿場から、なだられてきました。らかな富士山の裾野を歩き、頂ところが、9月18日にフィリ上を目指して登り続けたに違いピン沖で発生した台風16号は、ありません。しかしながら、他20日はフィリピン、21日は台のルートに比べて登山口の標高湾で大きな被害をもたらし、22が1000mも低いことから、歩日には中国の寧波市まで襲いか行距離が大変長くなるだけでなく、かってきたのです。そしていつ救護所もないため、チャレンジす日本に上陸するかもしれない状るにはそれなりの覚悟が必要です。大自然の恵みに触れながら、NCJ109日本とユダヤの古代の民のようなハーモニーから想いに浸続ってく登山するには、もってこいのルートと言えます。その他の3ルートは御殿場ルートよりも距離が短く、それぞれに特徴があります。最もポピュラーな吉田ルートでは、山梨側東アジア史を塗り替えたイスラエル民族大移動の潮流富士スバルライン富士山トレイルマップ吉田口五合目剣ケ峰▲九合五勺九合目富士宮ルート吉田ルート八合目元祖七合目新七合目六合目富士宮口五合目富士山スカイライン須走ルート須走口五合目御殿場ルートふじあざみライン御殿場口五合目から車で富士スバルラインを経由して五合目に到達し、登山を開始します。吉田ルートは山小屋や休憩所が多く、安心して登れることから初心者に人気があり、シーズン中はいつも大混雑します。2番人気は富士宮ルートです。このルートも車を使って富士山の南側に整備された富士山スカイラインを経由して五合目まで行き、そこから登山を開始します。スタート時の標高は約2400mと、四つのコースの中では一番高い場所に位置しています。吉田ルート同様に山小屋や休憩所もありますが、登り道も下り道も全く同じことから、混雑すると行き来が大変なことがあります。最後が須走ルートです。このルートは登山者も少なく、自然を思最終編い切り楽しめることで、古くから登山ファンを魅了しています。しかし救護所も無く、ある程度の登山を経験した人にしか勧めることはできません。これら四つのルートの中から、9月のオフシーズンに最適なルートとして選んだのが、富士宮ルートです。休憩所などがすべて閉鎖された9月下旬でも、富士山スカイライン経由で五合目まで車でアクセスすることが可能であり、天候さえ良ければ、確実に登山をスタートできるからです。しかもスタート地点の標高が高いだけでなく、ほぼ一直線に登っていくことから山頂までの距離も短いのです。脚力に自信があったことから、間違いなくベストルートに思えました。富士宮ルートの標高差は山頂まで約1300mであり、これまで何度も登っている四国石鎚山の標高差である800mよりも、6割強長いだけです。実際、石鎚山では麓の成就社から頂上まで1日で2往復を走った経験もあることから、日帰りで行き来するには問題のない距離と心得ました。後は、絶好の登山日となることを願うだけです。-1-Part.II富士山登頂の準備は万全!9月2 3日の登山日に向けて、早速、準備にとりかかりました。富士山の標高は、これまでになく高いことから、慎重な計画が不可欠です。まず、歩行距離が圧倒的に長く、四国石鎚山の2倍は体力を要すると想定し、マラソンレースのようになることを覚悟しました。環境省が発行する「登下山ルート予想タイム」によると、富士宮五合口からの登山には4時間20分、下山には2時間5分、合わせて6時間25分の登下山の時間が想定されています。また、登山中に天候が急変することも考えられ、高山病の危険もあります。よって、あらゆる事態を想定した上での準備が必要です。富士山の場合は、自分がこれまで体験したことがない標高3776mまで登ることになることから、まず、高山病の予備知識を得ました。また、これまで2000m級の山々は幾度となく登ったことがありましたが、いつもランニングウェアに軽装備であったことから、方針の転換が必要でした。服装についても、とりあえずスタート地点から冬用の暖かいトレーナーを上下に着て登ることにしました。携帯品については歩行距離と滞在時間が長いことから、これまでよりも多くの水と食料を準備しました。水は500m lのペットボトルを3本、栄養の補給には、おにぎりや栄養ドリンクに加え、カロリーメイトを非常食として携帯することにしました。そして万が一の遭難の際を考え、懐中電灯も用意しました。たまたま発電式タイプの懐中電灯が手元にあり、手でレバーを回せば点灯するという極めて原始的なものでしたが、十分に役を果たすと考えて持参することにしました。まさか、その懐中電灯を実際に使う事態に陥るとは、知る由もありませんでした。登山の準備と言えば、単に備品をリストアップして用意するだけではありません。一番、大事なことは体調の管理です。それ故、登頂の可能性がある数週間前から、日々、ランニングを繰り返し、ウェイトトレーニングをしながら体全体の筋力を養い、健康体を保つ努力だけは怠らないようにしました。体調は万全。後は、素晴らしい天候を期待するだけです。登山準備の落とし穴に愕然!秋分の日、9月23日の早朝5時、東京の自宅で目覚めました。富士山五合目からの登山は8時までにスタートすることを、当初から想定としたことから、5時起きでも十分に間に合うのです。やや遅いスタート時間ですが、御来光を拝むよりも、睡眠を十分にとって体調管理を優先する作戦です。朝から関東一帯は天気も良く、気温は暖かでした。また、富士吉田周辺の気温も22~23度前後にまで上がることを予報で確認し、絶好の登山日和になりそうです。早朝の東名高速道路は快適です。車で自宅から出発し、高速道路を飛ばしながら御殿場インターで降りて、富士山を目指しました。オフシーズンということで、トイレがないことも想定されたことから、コンビニに立ち寄り、備品の補給を確認したうえで、トイレも済ますことにしました。そして車から降りた時、大変なことに気が付きました。何と、いつも手放さずに持っている2台の携帯電話を、両方とも家に置き忘れてきたのです。最悪の失態に絶句!富士山を登山する際には、携帯電話は絶対に必要な情報手段です。それを持たずに一人で登山するということは、万が一の事故や怪我が生じた場合、大変なリスクを背負うことになるのです。だからこそ、念入りに準備をしてきたにも関わらず、無念でなりません。しかも、携帯電話のカメラ機能を使って写真を撮る予定でしたので、カメラもないのです。自分の愚かさに唖然としながらも、ここまで来て引き返すことは考えられず、仕方なくコンビニで昔風の使い捨てカメラを購入しました。39枚撮りだったので、一つ買えば十分と思ったのですが、これも後で大きな後悔をする結果となりました。富士山の五合目は目前であり、一生に一度あるかないかの富士山の登頂です。これだけは、どんな代償を支払ってでも決行する、という気持ちが揺らぐことはありませんでした。とりあえずカメラも購入することができて一安心。携帯電話は無くても、遭難しなければよいだけなので、「大丈夫。」と自分に言い聞かせ、富士山スカイラインを目指して車を再び走らせたのです。次頁に続く