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だし汁のとり方(昆布、削りがつをのだし汁)

◆料理長より一言

  • 昆布と鰹節のうまみが溶け合い、上品でくせのない、日本料理の基本のだしです。
  1. 昆布は乾いた布巾で軽くふき、砂や汚れを除きます。表面の白い粉は、うまみ、甘味成分なので取らないようにします。
  2. 昆布を水に15分~20分つけ、うまみが出やすくします。弱火にかけ、鍋底に小さな泡が立ったら、昆布を取り出します(写真1)。昆布に爪を立て、跡が残ればうまみが十分に出ています。
  3. ひと煮立ちさせ、水50ml(分量外)を加えて沸騰を抑えます。
  4. 削りがつおを一度に加え、菜箸で抑えるようにして湯に沈め(写真2)、すぐに火を止めます。ここでかき混ぜるとだしが濁り沸騰させると渋み、酸味が出ます。
  5. 表面に浮いたアクを、ていねいに除きます。アクが残ると、えぐみ、生臭みなどの雑味が出ます。
  6. ペーパータオルを敷いたざるを通し、だし汁をこします(写真3)。

材料(約600ml分)

  • 水……………………700ml
  • 昆布(10cm角)………1枚
  • 削りかつお……………30g

※昆布は利尻、羅臼など、だし用の昆布を、削りがつおは開封したての風味のよいものを使います。早煮昆布や、小さなパック詰めの削りがつおは、だしには向きません。

斎藤 渉(さいとう わたる)

斎藤 渉(さいとう わたる)

1965年千葉県生まれ。
高校卒業後、東京人形町「京樽」に入社して料理の世界に入る。上方ずし、すし懐石を学んだ後、日本料理を幅広く修業するために「津田沼グランドホテル」に入社。
その後、数々のホテルや料亭において、岩崎清氏(現、渋谷エクセル東急ホテル「日本料理旬彩」料理長)、黒田廣昭氏(現、「ジパングなだ万」赤坂エクセルホテル東急店料理長)などのもとで研鑚を積む。その後、成田「季節料理 彩季」、松戸「割烹しの田」、「あじ彩」の料理長を務め、現在、成田エクセルホテル東急「日本料理あづま」料理長。著書多数。

© 日本シティジャーナル編集部