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サプリメント療法

お肌の美と健康をたもつためには、ビタミン・ミネラルなどの基本的栄養素に加え、抗酸化物質、皮膚の新陳代謝を助ける成分、肌の保湿を助ける成分など、さまざまな栄養が必要です。基本的には、これらの栄養素は食事からとるべきなのです、やむをえない事情もあるでしょう。そんな時は難しいことを考えずに、サプリメントに頼ってしまいましょう。

最初に注意しますが、これだけ一つ飲んでいれば大丈夫というサプリメントはありません。特に高価なしろものには要注意。一点豪華主義ではなく、基本的な成分が幅広くはいっているものが、便利で、経済的で効果が期待できます。

薬物療法

○抗酸化剤療法

人間は呼吸をする度に酸素を吸います。細胞がその酸素を使いエネルギーを作り出します。しかし使い切れない酸素が今話題の活性酸素になります。活性酸素は不安定で近くにあるものに付着し安定しようとします。そしてこの活性酸素が細胞を錆付かせるのです。これが細胞の老化です。老化すると細胞の機能が低下するばかりでなく、細胞の数も減ります。抗酸化剤は活性酸素が細胞を酸化させるのをブロックする薬なのです。ビタミンC・Eやメラトニン補酵素Q10(コエンザイムQ10)はその代表格ですが、それよりもさらに効率的な抗酸化剤も続々と開発されています。

○ホルモン補充療法

人間の体の中には250種余りのホルモンがあります。その中のいくつか主要なホルモンについて足りているか不足しているか、血液検査をしてみるとよくわかります。あるホルモンがオプティマルの状態ではなく、サブオプティマル状態であるならば、少し不足していると考え、その分を補充するとからだや肌が若くて健康な状態に保たれます。

血液検査などでホルモンが少なめの兆候(サブオプティマルな状態)があれば、加齢による皮膚病変に対して、ある種のホルモン補充療法は有効です。女性ホルモンであるエストロゲン製剤には、肌のうるおいを保ち、ツヤやかにする効果があります。この効果を実感するまでには、6か月から1年といったある程度長い期間の治療を要します。天然型エストロゲンのジェルやクリーム製剤が望ましいかたちですが、かならず医師の指導のもとで使う必要があります。女性ホルモンや男性ホルモンが作られるおおもとに位置するDHEAを不足の程度に応じて服用することも有効です。

睡眠不足はお肌の敵です。40歳をこえて、睡眠の質が低下しているヒトは、メラトニンを試みてみましょう。

成長ホルモンの補充によっても、皮膚の厚みが増して、保湿能力が増え、シミやシワがへることがわかっています。これについてもある程度長い機関の治療を要するので、皮膚科医や美容外科医にはまだなじみのうすい療法と言うことができます。

米井 嘉一(よねい よしかず)

米井 嘉一(よねい よしかず)

1958年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒。現在、日本鋼管病院内科・人間ドック脳ドック室長、(株)サウンドハウス産業医。
米井抗加齢研究所所長(http://www.yonei-labo.com/) Anti-Aging Medicine(抗加齢医学)の伝道師としてテレビ、ラジオ、雑誌等で活動中
日本抗加齢医学会HP

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