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症状ごとの特殊ケア その5 「乳房(バスト)の護り神」

小さいバストを大きくしたり、垂れたバストを元に戻したりするような便利な薬は世の中にはありません。商品名「バストアップ」と称されるようなサプリメントはたいていは気休めです。どうしても小さいバストを大きくしたり、垂れたバストを元に戻したりしたい場合は美容外科の門戸をたたき、豊胸術やバストのリフトアップ術を受けるべきでしょう。そして、豊かになったバストやリフトアップしたバストをできるだけ長く維持する方法を考えましょう。

◆プロテーゼ(人工乳腺)挿入術

一般的には、大胸筋(胸の筋肉)の下にスペースをつくり、ここにプロテーゼを挿入します。傷は脇の下に2~3cm程度です。シリコン膜でできたバッグに生理的食塩水を注入したものがプロテーゼです。手術時間は1~2時間程度。プロテーゼの種類や大きさはいろいろあります。

自分自身の脂肪を注入する手術もありますが、効果が弱かったり(ほんの少し膨らむ程度)、時間とともに溶けて吸収されてしまうので、あまりお勧めできません。術後1ヶ月程度は、包帯やブラジャーできちんとバストの固定をします。プロテーゼによる皮膜の拘縮がおこることがありますので、プロテーゼが固まってしまわないように、術後のマッサージが大切です。

◆食事療法

バストを護るための食材の代表は、キャベツ・芽キャベツ・ブロッコリー等のアブラナ科の野菜です。これらの野菜には豊富なビタミン類の他に、抗酸化物質、インドール-3-カルビノール、スルフォラファンが含まれています。インドール-3-カルビノールやスルフォラファンはバストを恐ろしい乳ガンから護る働きがあります。これらの野菜が不足している場合は「発芽ブロッコリー」のサプリメントで補ってください。

バストを護るビタミンはC・E・B・A、バストの肌のためにはコラーゲンやグルコサミン、バストのふくよかさを支える脂肪組織のためには、オメガ3脂肪酸など良質な脂肪を摂りましょう。その他、植物由来の天然女性ホルモンを含む食材がお勧めです。豆腐などの大豆製品、ざくろなどがその代表です。コエンザイムQ10などの抗酸化剤も有効です。

米井 嘉一(よねい よしかず)

米井 嘉一(よねい よしかず)

1958年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒。現在、日本鋼管病院内科・人間ドック脳ドック室長、(株)サウンドハウス産業医。
米井抗加齢研究所所長(http://www.yonei-labo.com/) Anti-Aging Medicine(抗加齢医学)の伝道師としてテレビ、ラジオ、雑誌等で活動中
日本抗加齢医学会HP

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