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Merrie Monarch Festival ~メリー・モナーク・フェスティバル~ Part3

観客で埋まったスタジアムの席に座ると、人々を魅了するフラ、カヒコ(古典フラ)のイプヘケのリズム、アウアナ(モダンフラ)を演奏するミュージシャン達の演奏や歌声、どよめく歓声、そしてダンサーや周りの人達が身につけているレイの香り…。それらの全てが胸をときめかせ、高揚して深呼吸をしても息が苦しくなる程でした。何十回と繰り返し見たビデオやDVDの世界の中に、“自分がいる”のだということを何度も実感し、涙があふれ出してきました。

初日の個人エントリーであるミス・アロハフラのソロはため息が出る程の美しさ、優雅さで、あの大きな舞台をソロで踊っていても緊張感を微塵も感じさせない事は凄いことだと思いました。そして2日目のカヒコでは特に男性フラの力強さ・スピード感に圧倒され、3日目の最終日アウアナでは人気の有名ミュージシャン達の演奏に合わせた群舞の一糸乱れの無い踊りやフォーメーションに見とれっぱなしで、何度もため息が出てしまいました。中にはコミカルな踊りもあり、どこのハラウ(フラの教室)も1年がかりで練習し準備をしてきたその成果を感じることができ、1日5~6時間ずっとフラを見続けていても時間を感じない程でした。全てのエントリー終了後の審査結果発表に一喜一憂した後で、ふと我にかえって時計を見ると、すでに深夜0時を過ぎていました。

エディス・カナカオレ・スタジアムは色々なイベントが行われますが、元はテニス・スタジアムであり、かまぼこ状の屋根の為、客席に座っていても空が見えます。メリー・モナークは夕方から行われるので、美しく変わりゆくハワイの空を見ながら、また肌で風を感じながらの観戦は最高でした。ただ、とても驚いた事ですが、特設の観客席設置の為か、パイプを組んだ骨組に板を渡しただけの上段の席は、手すりすら無く非常に危険な状況で、足元が空いているので地面には観客の持ち物が沢山落ちていました。安全面においてこれは日本ではとても有り得ない事だと思いました。私達の席は唯一地元のハワイ島からエントリーしていたハラウの指定席だった為、とても観易く、ダンサー達の踊りは勿論の事、審査員の表情、ミュージシャン、そして出場チームのクム(先生)の幸せそうな様子までが手に取る様に良く見えました。H氏のご紹介により、席を取って下さったミュージシャンのハンサムな青年にもお会いする事が出来て、そのチームが出場した時には応援にも力が入りました。

メリー・モナーク・フェスティバル開催期間中、ヒロの町ではフラやハワイアン音楽のショー、パレードなど、数々のイベントが催されます。なかでも地元の人々もとても楽しみにしているのが、クラフト・フェアです。ハワイ最大のフラ競技会にふさわしく規模もハワイで一番と言われています。体育館、ホテルのロビー、ショッピングセンターの一角といったように町のあちらこちらで特設クラフト展が開かれ、フラ用品、楽器、レイ、洋服、バック、帽子、造花や貝を用いたアクセサリーなど、フラダンサーが大好きな物で溢れています。そして、この期間だけはそれらのクラフトショップやスタジアム、ダウンタウンなどを巡回する無料の特別メリー・モナーク用シャトルバスが運行され、気がつけばいつの間にか両手は買った商品でいっぱいになっていました。

3日間、日中はクラフト・フェアやイベントを観て回り、そして夕方から深夜まで1日6時間近くメリー・モナーク・フェスティバルを夢中で観続け、まさに、フラ漬け、フラ三昧の夢の様な毎日でした。私にとってこの感動は生涯忘れることの出来ない素晴らしい思い出となりました。そして今までにも増してフラが大好きになり、こらからもずっとフラを学び続けていきたいと心から思った次第です。

Akemi

Akemi

現在、東京のHalau(Hula の教室) 所属。
レストラン・ポセイドン、Hawaiian Night出演中。

© 日本シティジャーナル編集部