木とアレルギー

ウルシ科の植物で肌がかぶれることは良く知られていますが、その他にも加工中にアレルギー症状を引き起こすと言われる木材はたくさんあります。木工家の間では、アフリカ産のブビンガ材の粉を吸うと、くしゃみが止まらなくなることがよく知られています。また、シルキーオーク材のように加工する際に肌が黒くなるなど、皮膚炎を起こす木もあります。実際、一部の木材は国内での加工が法律で禁止されています。皮膚炎の原因となるパーフェロー材を加工していた会社が処分されたこともあるので問題は意外と深刻です。

弦楽器の材料として絶対に欠かせない木材であるローズウッドやエボニー、マホガニーの仲間にもアレルギーを引き起こすものがたくさんあります。どの材も音響的に優れていることはもちろん、ルックスや手触りに至るまで、すべてがあまりにも魅力溢れる素材なのが悩ましいところです。私自身は幸い皮膚が丈夫なようで、シルキーオークやパーフェローをはじめ、どんな木材を加工しても皮膚炎を起こしたことはありません。

木製品の美しさや木工の楽しさを考えると、多少の不都合は目をつぶってしまいがちですが、木工をできるだけ長く続けるためにも、作業中はなるべく粉塵を吸い込まないように常に注意しています。

木工家 アンビル シゲル

アンビル シゲル

1971年生まれ。主にギターなどの弦楽器の製作を手掛ける木工家。
1998年に単身渡米し、アリゾナ州にある弦楽器製作学校に入学。帰国後、千葉県内に自らの工房を構える。木材に対する愛情に溢れ、そしてまた造詣も深い。

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