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お待たせしました!
国内初デザイナーズ日帰り温泉の誕生です!!

大和の湯全景

大和の湯全景

露天風呂『富士見の湯』

露天風呂『富士見の湯』

デザイナーズ温泉 千葉県成田 大和の湯へ

本当に長らくお待たせしました。富士山の見える「極上の湯」をテーマとした最新型デザイナーズ日帰り温泉として、新しく衣替えした「大和の湯」が、遂にそのベールを脱ぎます。当初は3月20日、桜の花が満開になる春休みのシーズンに新装開店する予定でしたが、昨年度10月の度重なる台風の到来で工事が大幅に遅延し、余儀なくオープンの日程がずれこんでしまいました。しかし「待てば海路の日和あり」です。ゴールデンウィークの大型連休に向けて、誰もが驚嘆する見事な作品が仕上がりました。

成田にデザイナーズ温泉が初登場!

デザイナーズ温泉「大和の湯」が先代の「成田温泉」と呼ばれていた時代では、風土記の丘の裾野にこぢんまりとたたずむこの小さな天然温泉に、日々30~50人ほどの来訪客があったと聞いています。当時、老朽化した施設で高額な入浴料をとっていたにもかかわらず、不思議と客足が途絶えなかったのは、源泉の泉質が相当な評価を得ていたからだったようです。しかし、土地の形状がサツマイモのように細長く有効活用しづらいこと、また交通の便も良くなかった事なども重なり、経営的には困難を極め、幾度となくオーナーが交代せざるを得ない状況でした。

しかしこの松崎の土地には隠れた「地の力」がありました。富士山と印旛沼を一望することができ、のどかな田園風景に恵まれているだけでなく、隣接地には巨大な県立と私立公園があります。見方を変えれば、それは正に自分の裏庭が自然公園になっているようなものです。すると一変してこれ程の好環境に恵まれた日帰り温泉の土地柄は他に類がないことに気づくことでしょう。その自然のバイタリティーに感銘を受け、設計を請け負うことになったのが和風モダン建築の巨匠、羽深氏でした。

デザイナーズ温泉リゾートとは

昨今の温泉ブームの影響で、今やスーパー銭湯だけでなく、天然温泉でさえ全国各地に新設され、飽和状態になりつつあります。また利用客の要望する温泉サービスのレベルも日増しに高まり、その高級志向は止まる所を知りません。老朽化した旧型施設の温泉が矢継ぎ早に閉鎖されていく最中、「万葉の湯」や「真名井の湯」のような大型チェーン店では、今までにない高級感溢れる施設と複合サービスを提供しながら全国展開を目指しています。しかも入場料はかつてない低価格をモットーとしているのです。

デザイナーズ温泉「大和の湯」ではこれら利用客の要望や時代の流れを察知した上で、著名温泉施設とは一線を画す意味においても、更なるグレードアップを目指して「デザイナーズ旅館」のコンセプトをそのまま日帰り温泉に移植することにしたのです。そして天皇陛下がお泊りになられる国内最上級の温泉旅館の設計施工に携わっている羽深氏ならではの創造性に富んだ入念な設計をベースとして、他の追随を許さない新しい形のデザイナーズ日帰り温泉施設を企画しました。無論、大露天風呂と岩風呂、たる風呂、ジェットバス等の各種銘湯を再現し、内風呂やサウナを充実させて、しかも低価格の料金設定を実現しました。そして桜の季節には花見をしながら露天風呂につかり、たる風呂につかっては、のどかな田園風景にノスタルジックな想いをはせて満喫することもできるというコンセプトです。温泉施設だけでも申し分ない条件が整いました。

更に思い切って個室露天風呂を設置し、風呂に入りながら富士山の絶景を眺め、そこで食事まで楽しむことができるようにしました。次に著名シェフをお招きして、会席料理や寿司など、一流レストランと同等レベルの和食を堪能できるオープンキッチンスタイルの和風モダンなレストランを最上階に造りました。そして絶景を目にしながら寿司をつまむことができるよう、一本檜造りの大型カウンターを導入して、パノラマ風景を演出した寿司バーが完成したのです。更に1階には一流ホテル顔負けの豪華なフィットネスセンターとスパを併設し、静かなセミ・プライベートルームでくつろぐことができるようにしました。これら極上の設備をより良く活かし、健康や安全に気遣う為にも、今までのこだわりであった「全館禁煙」は継承し、尚且つ「大人のリゾート」という新しい位置付けで、小学生未満の子供の入場はお断りするという方針を打ちたてました。

その結果が、国内最上級のデザイナーズ温泉リゾートです。著名建築家が設計したデザイナーズ旅館は一般的に一泊3~5万円もしますが、それと同等、もしくはそれ以上の施設を有するデザイナーズ温泉「大和の湯」は、宿泊、食事抜きで800円というお手頃価格です。しかも食事に関しては高級旅館に勝るとも劣らない極上のダイニングエリアで満喫できるのです。想像してみてください。公園を散歩して野鳥を観察した後、ジムで運動をして汗を流し、その後、ゆったりと田園風景を楽しみながら風呂につかる。その後、エステサロンで癒しの音楽を心地よく聴きながらマッサージを受けてリラックス。そして空腹感をおぼえたら、ふとカウンターごしに夕日がかかる富士山が目に入り、その絶景に心が動かされながら寿司をつまんで舌鼓を打つ、という夢のような極楽湯の実現です。

理想郷にはまだまだ程遠い大和の湯?

周囲の期待にこたえるべく、そして歴史に残るような名作を目指してデザイナーズ日帰り温泉「大和の湯」の2期工事に着工しましたが、本音を言えば理想郷には程遠いのが現実であり、歯がゆい思いをすることが少なくありません。まず、道路アクセスに関しましては以前から県道からの進入路が狭すぎるという問題点が指摘されており、不評をかっています。この点につきましては只今、地元住民の方々からも市に対して要望書が出され、直に解決するのではと期待しています。

次に狭いサツマイモ形状の立地条件下で18ヶもの浴槽施設を建造するために、浴場を3階層に振り分けることになり、その結果階段が多くなり、ご年配の方にとってはかなり条件の厳しい温泉となってしまったことを危惧しております。石川県の加賀屋という著名な旅館も複数階層の温泉施設を誇っていますが、加賀屋ではエレベーターが設置されています。当初はご年配の方に喜んでもらおうという趣旨で始まったプロジェクトであるため、申し訳なく思っています。

最後に休憩施設のスペースが十分にとれていないことが気がかりです。とにかく極上の温泉を目指して温浴泉施設を優先して設計したのですが、その反面、風呂上りの後の十分な休憩施設をスパ以外には作ることができませんでした。以前の「ごろ寝」ができるスリーピング・ラウンジがなくなり、また、ロビーのスペースも広くはとれませんでした。この点につきましては第3期の工事計画に期待して頂きたいと考えております。

さあ、新生デザイナーズ温泉「大和の湯」、あなたは極上の湯を満喫して頂けたでしょうか?

(文・中島尚彦)

© 日本シティジャーナル編集部