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第41回 自分の健康は自分で守る

ヒトが直立二足歩行するようになってから、発生した疾患には、内臓下垂・腰痛・膝痛・頚や肩のこりなどを挙げることができましょう。

起床し立つと無意識に首を上下に真直に保とうとします。上肢の重さは肩関節を通して持ち上げるのです。首とは頚から上をいいます。この首の重心は顔前方の方に傾いているのです。眠くなったり、意識を失うと首が前に俯うつむくことで知られます。

このように後頚部や肩関節部の筋は首や上肢を支えるために、静止の状態でも相当の機能を果たしています。ましてや書物を読んだり、パソコンを操作している時は、首を前屈しますから、前出の筋は、更に収縮を余儀無くされます。この結果が頚こりや肩こりの原因となるのです。言う迄も無く、ある病気の一症状として、誘発されることもありますが、ここでは省くことにします。

鍼灸やマッサージの医療機関に、頚こりや肩こりを訴えて、治療にやって来る人は大変多いです。鍼灸やマッサージは頚こりや肩こり以外には余り効果を知らない人が多いのも事実ですが、世界保健機関(WHO)では立派な医療として保護と普及に勤めています。アメリカやヨーロッパの各国や中国、韓国、朝鮮などでも、大学で教育し医師として認めています。残念ながら我国では鍼灸大学はあっても医師の国家資格は、未だ与えられていません。従って診断権がないのです。

ちょっと回り道をしましたが、頚や肩のこりについて更に考えてみましょう。日本列島の冬季は大そう空気が乾燥します。ということで、冬になると流行性感冒(以下、流感)が猛威をふるう理由については前号でふれた通りです。

流感にかかると先ず、くしゃみ、寒気(さむけ) 、発熱、頭痛、頚や背部のこりなどの症状が発症します。

運動器といわれるところは骨格、靭帯、筋肉などで形成されています。筋肉は蛋白質です。蛋白質は熱や酸に会うと凝る、固まる性質をもっています。当然のことながら骨格に付着している骨格筋は自分の意思で動かすことが出来ます。機能的な命名は随意筋といいます。この筋肉の使い過ぎも、また凝ることになります。更に冷えると筋肉の働きが低下します。こうした状態のとき、急な強い動きをすると、俗いう肉ばなれや、頚肩腕痛・腰痛・膝関節痛といったトラブルの誘因になります。来月はこの手当法について記すことにいたしましょう。

(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)

横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
  • 1939年、茨城県常陸大宮市生まれ。

大塚敦節氏に漢方を、小川晴通氏に鍼灸を師事し、東京医療専門学校卒業後半年で母校の講師となる。中国医学研究会設立に参画、日中医療普及協会会長、東京都日中友好協会常任理事等、日中の友好関係へ尽力。

現在、一本堂横山鍼灸療院院長、東京医科大学にてホリスティック医学を講義中。「カラー版鍼灸解剖図」「アレルギーはツボで治る」など著書多数。

  • 診療所:東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
  • お問合せ:03-3359-6693

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